金融庁の無登録警告業者で実在社名詐称が急増 ベストが独自集計とDBを公開
株式会社ベストは、仮想通貨詐欺の調査会社として運営する「CryptoTracer(クリプトトレーサー)」において、金融庁が警告書を出した無登録業者1,245件を年別・手口別に独自集計しました。あわせて、警告を受けた業者を社名やサービス名で検索できる「金融庁の警告業者データベース」を2026年10月3日に無料公開しました。集計の結果、実在の証券会社や運用会社の名前・登録番号を名乗る偽業者が2025年から急増している実態が明らかになりました。
実在する証券会社などを名乗る偽業者が急増
金融庁の警告のうち、名称や備考に「詐称」「騙り」と記載された業者の件数を集計したところ、2023年は42件中0件(0%)、2024年は62件中2件(3%)にとどまっていたものが、2025年には79件中17件(22%)へと増加しました。2026年は9月までで63件中18件(29%)に達し、前年の件数を上回っています。
ウェブサイトやSNS、アプリの画面に、実在する証券会社の登録番号(「関東財務局長(金商)第〇号」など)を表示して信用させる手口がみられます。国内の証券会社だけでなく、外資系の運用会社や、新規公開株(IPO)の割り当てに関わる「高速取引行為者」の名前を使った事例も確認されています。2025年以降の35件のうち17件では、SNSでの勧誘が警告に明記されていました。この型は2012〜2014年ごろにも多くみられ、その後減少していたものの、2025年から再び増えているとしています。

警告の「業務の内容」欄をもとに手口を分類したところ、2025年以降の警告142件のうち、FX・CFDなどの取引サイトが50%、実在の会社を名乗る型が25%を占め、両者で全体の75%にのぼることが分かりました。そのほかは、登録業者のような表示が10%、投資助言・運用の一任が8%、未公開株・社債・株式の売買が4%、ファンド・出資の募集が2%、暗号資産の取引所が1%となっています。
2010〜2015年には郵便や電話で勧誘する未公開株・社債やファンドの型が合わせて32%を占めていましたが、2025年以降は6%まで減少しました。かつての手口から、インターネットで取引させる海外FX型や実在の会社を名乗る型へと手口の移行が進んでいます。
警告件数は2021年を底に増加傾向
公表されている警告の件数を掲載時期の年ごとに集計すると、最も多かった2015年の174件から減少が続き、2021年は22件となっていました。しかし、そこから再び増加傾向となり、2025年は79件(2021年の約3.6倍)、2026年も9月までで63件と、前年に近いペースで警告が出されています。
なお、暗号資産(仮想通貨)の交換業を無登録で行っていたとして警告を受けた業者は25件で、その多くは日本の居住者向けにサービスを提供していた海外の取引所でした。仮想通貨で入金させる投資詐欺であっても、FXや株式の取引をうたう「金融商品取引業」側で警告されている事例が多くみられるとしています。
警告業者を検索できるデータベースを無料公開
同社は、今回の集計に用いたデータを検索できる「金融庁の警告業者データベース」(https://cryptotracer.jp/guide/fsa-warning-list)を公開しました。警告を受けた業者1,245件を対象に、社名やサービス名の一部による検索や、区分(暗号資産交換業・金融商品取引業など)、所在地(国内・海外)、手口の型による絞り込みが可能です。金融庁のリスト更新に合わせてデータも更新されます。
同データベースに掲載されていない業者が安全であることを意味するものではなく、警告前の業者や名前を変えて営業を続ける業者は含まれません。代表取締役の小野田 泰久氏は、相手から伝えられた連絡先ではなく、金融庁の一覧や企業の公式サイトに掲載されている正規の連絡先を使って確認するよう注意を呼びかけています。
調査概要
- 調査主体:株式会社ベスト(CryptoTracer)
- 調査対象:金融庁が公表している「無登録で暗号資産交換業を行う者の名称等」(国内・海外)、「無登録で金融商品取引業を行う者の名称等」(国内・海外)、「警告書の発出を行った適格機関投資家等特例業務届出者」のエクセル資料 計5点
- 対象件数:1,245件(2010年〜2026年9月掲載分)
- 基準日:2026年9月25日(金融庁の更新日)
- 留意点:金融庁が掲載を終えた古い警告は含まれないため、古い年ほど実際より少なく出ている可能性がある
本記事は株式会社ベストの発表をもとに作成。
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