世界のコーヒーと出会える「HUB」。ECサイト「HUBLIC COFFEE」がつなぐ、コーヒーと旅の美味しい関係
2024年11月、ECサイト「HUBLIC COFFEE」がオープン。このサービスは、たんにコーヒー豆を届けるわけではない。その裏側にある思いを、代表の梅津精吾さんに聞いてみた。
2024年11月、世界中のカフェやロースタリーのコーヒー豆を購入できるECサイト「HUBLIC COFFEE」がオープンした。毎月異なる4種のコーヒー豆と、その焙煎士やお店の情報が届く定期便を主軸に展開する。
コーヒーを介して人と場所をつなぐ
「HUBLIC COFFEEという名前には、HUB(つながる)とPUBLIC(世界)を組み合わせた意味があります」と語るのは、運営する株式会社PLOWの代表・梅津精吾さん。「コーヒーはあくまでハブとなるもので、その先の価値を共有していきたい。お客様が美味しいと感じたコーヒーを通じて、そのカフェやエリアに興味を持ち、実際に足を運んでもらうようなアクションまでつなげられたらいいですよね」。
その思いは商品にも表れている。コーヒー豆と一緒に届くカードには、お店の場所や雰囲気、焙煎士からのメッセージなどが記載され、QRコードを読み取ると地図情報まで確認できる。「カフェに行っているかのような体験を、まずは自宅で味わってほしいです」。
プロダクトから「つながり」を生む商品へ
梅津さんとコーヒーの出会いは中学生の頃。「『男ならブラックコーヒーを』と親に言われて」と笑う。その後、サーフボードの販売の仕事を通して、ハワイのコーヒーに触れる機会などもあった。しかし、転機となったのは数年前、あるハンバーガー店で飲んだ一杯だ。
「浅煎りのエチオピアのナチュラル、コールドブリューだったと思います。『コーヒーってこんな味がするんだ』と衝撃を受けて。今まで美味しいと感じていた味わいとは全く異なる軸の美味しさがある。そこから探究心が湧いてきました」
以前は別の事業でプロダクトを扱っていたという梅津さん。「どちらかというと一方通行の商売でした。今度は違うビジネスモデルにしたくて。コーヒーをハブに、みんなで一緒に盛り上げていけるものを作りたいと考えました」
「発見」を続けるサービスへ
現在は「アソート」として、国内外のロースターから仕入れたコーヒー豆を、毎月異なる4種類のセットも販売している。今後は、日本のロースターだけを集めた海外向けの商品や、購入者からの紹介で新しいお店を開拓するなど、つながりを広げていく計画だ。
「12月には上海のイベントに出店します。日本のロースターを海外に紹介する、そんな『ハブ』としての機能も持たせていきたい。パーソナライズして好みの味だけを届けるのも一つの形ですが、それだとコーヒーに特化しすぎてしまう。旅をすれば思わぬ発見があるように、予想外の出会いがある方が面白いはず」
梅津さんは「まだまだ情報の深さは足りない」と言う。しかし、コーヒーを通じて新しい発見や行動を促すプラットフォームとしての可能性は、確実に広がっている。