「北海道と博多の出会い」豚骨ラーメンと写真で故郷の魅力を伝える、豚骨拉麺大河・齋木大河さんインタビュー
11月2日に札幌でオープンした「豚骨拉麺大河」。店長の斎木さんにインタビュー。
札幌・狸小路7丁目に11月2日、新しいラーメン店「豚骨拉麺大河」がオープンした。オープンに先立って実施されたクラウドファンディングでは、目標金額150万円を大きく上回る200万円以上を集め、多くの期待を集めている。
消防士から豚骨ラーメンの世界へ
店長の齋木大河さんは、元・札幌市消防局のレスキュー隊員。「消防の仕事は本当にやりがいがあって、続けていきたいと思っていました。でも同時に、幼い頃から大好きだったラーメンの世界でも、自分にしかできない挑戦がしたいという気持ちが芽生えてきて」と、転身を決意した経緯を語る。
豚骨ラーメンとの出会いは高校時代。剣道の遠征で訪れた福岡で食べた一杯だった。その後、すすきのの人気店「RAMEN ICHI」に入社。店長として経験を積む傍ら、月1回の限定営業で「豚骨拉麺大河」を展開。毎回多くの行列ができるほどの人気を集め、今回、同社の新業態としてのオープンが実現した。
北海道の食材と博多の技法が出会うラーメン
「大河」の豚骨ラーメンの特徴は、北海道と福岡の食材の融合だ。スープは北海道産の豚骨を使い、麺は福岡の工場から取り寄せた本場博多の専用麺を使用。チャーシューは北海道産の豚肉、キクラゲは南幌町産と、地元食材にこだわる。
特筆すべきは、本場博多の豚骨ラーメンの特徴である「発酵」した風味を実現していること。スープを継ぎ足し継ぎ足しで作り続け、温度管理や熟成にこだわることで、本場の豚骨ラーメンが有する独特の香りと深い旨味を引き出している。「北海道には本場の博多豚骨ラーメンがまだ少ないんです。本場の味を知ってほしいという思いと、北海道の食材の素晴らしさを伝えたいという思いを、一杯に込めています」
カメラマンの視点も交えて届ける、北海道の魅力
店内に目を向けると、齋木さん自身が撮影した北海道の自然写真が飾られている。齋木さんは現在、写真家としても活動しているのだ。写真との出会いは約3年前。「元々地元の手稲区で育ち、山や海が近い環境でした。消防時代の体力作りで山登りをしていた時に出会う動物たちや、休日のドライブで見る道東の景色。そういった北海道の魅力を切り取りたいと思ったんです」と、カメラを手にした理由を語る。昨年は自身の写真展も開催した。
「地元の方も観光の方も訪れる場所なので、ラーメンを通して北海道の食材の魅力を、写真を通して北海道の自然の素晴らしさを伝えていきたい。北海道を代表するような店にしていきたいですね」
豚骨ラーメンという”外来の味”と地元の食材、そして写真という異なる表現方法を通じて、故郷・北海道への想いを届ける。そんな新しい試みが、狸小路7丁目で始まっている。
豚骨拉麺大河
営業時間:18:00〜23:30※売り切れ次第終了
住所:北海道札幌市中央区南3条西7丁目
定休日:11月4日、10日、17日、24日(詳細は店舗SNSでの確認を推奨)