No.1のファクタリング調査、資金使途の6割超が外注費や仕入など支払いに
株式会社No.1は、2016年1月から2026年7月までに蓄積した自社ファクタリング事業の申し込みデータ37,751件をもとに、中小企業の資金繰りや経営実態に関する分析レポートを公表しました。新規利用件数や買取金額が拡大傾向にあるほか、利用地域が全国へ広がっている実態が明らかになっています。また、資金使途では毎月発生する支払いに充てる割合が増加しており、事業者の資金需要に変化が見られます。
取引規模の拡大と全国への利用拡大
株式会社No.1におけるファクタリングの新規利用件数は、2022年から2025年にかけて約3倍に増加しました。同期間の買取金額合計は2025年時点で約8.1倍に拡大しています。平均買取金額は2022年の約152万円から2025年にかけて約418万円に上昇し、中央値も50万円から150万円へと増加しました。2023年から2025年にかけては1,000万円を超す大型案件の件数も3倍に増加しており、利用者の増加と1件当たりの取引規模拡大が同時に進んでいます。
利用事業者の事業規模別内訳では、2020〜2022年に事業規模中央値が2019年の350万円から2021年に110万円へと小口化が進んだものの、2023年以降は再び拡大し、2025年には事業規模500万円以上の構成比が28.5%まで増え、中央値も200万円程度まで回復しました。


地域別の構成比では、2017年時点で関東が49%、中部が17%、近畿が15%と偏りが見られましたが、2017年から2026年にかけて九州が7%から12%、中国が2%から5%、四国が1%から3%へと上昇し、全国へ分散・拡大しています。

業種別の動向と利用目的の変化

業種別の申し込みシェアでは、建設・建築・工事業が2017年から2026年の10年間を通じて45〜56%を占め続けています。運輸・物流業は2018年の2.7%から2024年に7.0%まで上昇した後に2026年は5.7%となり、製造業は2021年の3.6%から2026年に5.7%まで増えています。人材・BPO・営業代行業も2024年の2.9%から2026年には4.0%へ上昇したほか、自由記述では2026年に「AI開発」が9件確認されました。

資金使途に関しては、「外注費・下請け支払い」「材料・仕入・商品代」「給与・人件費(従業員給与支払い)」の3項目が全体の過半数を占め、2026年には63.2%に達しました。「税金・社会保険料」も2022年の4.4%から2024年には6.2%まで上昇しています。一方で「設備・機材・道具投資」は2022年の4.9%から2026年には1.9%に減少し、「車両・燃料・修理」も2022年の5.5%から2026年には3.0%へ低下しています。

業種別の資金使途では、建設業で「外注費」が33.6%、製造業で「材料・仕入」が37.5%、運輸・物流業で「車両・燃料」が27.6%、人材・代行業で「給与」が23.2%、IT・WEB・コンサル業で「外注費」が26.9%と、業種ごとに異なる特徴を示しています。

専門家の見解と今後の市場展望
税理士法人加藤税理士事務所の代表税理士である加藤大輔氏は、設備や機材への投資目的が減少する一方で外注費や仕入、給与といった支払いが6割を超えている点に触れ、資金需要の重心が「攻め」から「守り」へ移っていると指摘しています。また、税金や社会保険料を目的とした利用の増加については、まず換価の猶予や納税の猶予といった公的な猶予制度の活用を検討した上で、つなぎ資金としてファクタリングを検討するという順序が重要であると述べています。
ファクタリング市場は、業務の外部委託や代替的な資金調達需要を背景に成長が見込まれており、小規模事業者による短期・小口の利用と中堅事業者による運転資金調達の併存が進むと予想されます。法制度面では、2020年4月施行の改正民法や2026年1月施行の中小受託取引適正化法などにより取引環境の整備が進んでおり、今後はオンライン完結型やAI審査などサービスのデジタル化とともに、業種特化型の支援や業務システムとの連携が求められるとみられています。
株式会社No.1 会社概要
- 会社名:株式会社No.1
- 代表者:代表取締役 濵野 邦彦
- 所在地:〒170-0013 東京都豊島区東池袋1丁目18−1 Hareza Tower 20F
- 設立:2016年1月
- 主な事業:企業向けファクタリング業務、経営に関する各種コンサルティング業務、企業経営上の各種リスクの調査・分析の委託ならびに、リスクの評価及びリスク回避の相談の受託業務
- コーポレートサイトURL:https://no1service.co.jp
- 本レポートの詳細ページ:https://no1service.co.jp/news/chushokigyou-no-shikinguri/
本記事は株式会社No.1の発表をもとに作成されています。
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