WWFジャパン、沖縄県与那国町で生物多様性保全プロジェクトを開始
公益財団法人世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)は2026年8月、沖縄県与那国町において「与那国島の生物多様性保全プロジェクト」を開始しました。地元の「与那国島の自然と共に生きる会」や水生生物・鳥類の専門家らと連携し、水田再生や保護区の設置などを目指します。実施期間は2026年8月から2030年6月までを予定しています。
日本最西端に位置する与那国島には、ヨナグニカラスバトやキンバトをはじめとする鳥類や、陸水域における固有の希少野生生物が生息しています。一方で、1960年代以降の開発や耕作放棄地の拡大に伴い、水田や湿地などの水辺環境が急速に減少しており、生物多様性の損失や自然と共生する伝統文化の継承が課題となっていました。

WWFジャパンは貴重な自然環境を未来へ引き継ぐため、2025年9月に開催したセミナーや住民・専門家らとの対話を経て、保全活動の必要性を共有しプロジェクトの設立に至りました。
主な取り組み内容と今後の予定
プロジェクトでは、地域の住民や専門家と連携しながら以下の3つの活動を中心に展開します。
- 耕作放棄地を水田に再生し、湿地生態系を回復する
- 絶滅危惧種の重要な生息地への保護区の設置を目指す
- 島の文化や伝統を支える生物多様性の価値を普及する
また、2026年11月頃には与那国町で詳細と進捗に関する報告会の開催を予定しています。報告会には与那国町長、農業委員会、JAおきなわ、環境省などの関係者のほか地域住民も参加し、意見を交わす「ゆんたく」も行われる予定です。
関係者のコメント
WWFジャパン野生生物グループの小田倫子氏は、与那国島がWWFとして初めての保全フィールドになると説明した上で、失われてきた自然と景観が2030年には守られている状態を目指して取り組むとしています。
また、与那国島の自然と共に生きる会代表の高橋千恵氏は、本取り組みについて、環境回復だけでなく伝統文化の継承や子どもへの食育、エコツアーの展開など、人と自然のつながりを取り戻す契機になると期待を寄せています。
プロジェクトの概要は以下の通りです。
- 名称:与那国島の生物多様性保全プロジェクト
- 実施地域:与那国島(沖縄県与那国町)
- 実施期間:2026年8月~2030年6月
- 実施団体:WWFジャパン、与那国島の自然と共に生きる会、水生生物や鳥類の専門家など
WWF(世界自然保護基金)は1961年に設立され、100カ国以上で生物多様性の回復や地球温暖化防止に取り組む環境保全団体です。会長は末吉竹二郎氏が務めています。
本記事はWWFジャパンの発表をもとに作成。
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