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commissure、NEDOのNEP躍進コース3000に採択 触覚技術開発へ

ロボティクスやフィジカルAIの社会実装に取り組む株式会社commissureは、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が実施する2026年度「ディープテック分野での人材発掘・起業家育成事業(NEP)」の「躍進コース3000」に採択された。

同社は本事業を通じて、人が作業を実演してデータを集める機器(UMIデバイス)と動作を実行するロボットの双方に取り付け可能な触覚モジュール、および学習ソフトウェアの開発を進める。東京大学で培った触覚・身体情報学の知見を生かし、人手不足や技能継承といった社会課題の解決を目指す。

収集側と実行側を共通の触覚データでつなぐ研究開発

部品の差し込みやコネクターの接続などの作業では、人は視覚情報だけでなく、手に伝わる抵抗や接触の変化を手がかりに力加減を調整している。本事業では、ロボットが同様の作業を学習する際に、映像や動作に加えて接触状態をデータとして扱うことを目指す。

触覚の活用にあたっては、センサーの取り付けだけでなく、映像や動作との時刻同期、データ形式の整理、学習ソフトウェアへの接続、さらには人の実演データとロボット側データの対応づけが課題となる。commissureは、収集側と実行側を共通の触覚データでつなぐ小型モジュールとソフトウェアを一体で開発し、研究者や企業が触覚データを導入する際の負担軽減を図る。また、データセットや学習済みモデル、データ仕様を研究コミュニティへ共有する計画としている。

採択された「NEP躍進コース3000」は、ディープテック分野の技術シーズとビジネスモデルを持つ事業者を対象に、事業化可能性の調査や研究開発、実証を支援する制度である。2026年度の制度概要としては補助対象費用3,000万円以内、補助率1分の1、事業期間12カ月以内と設定されており(commissureへの交付決定額を示すものではない)、専門家による助言や研修支援などが提供される。

本事業で開発を計画している技術の詳細は以下の通りである。

  • 触覚モジュール「HaptoAtom」:ロボットの指先とUMIデバイスの指先の双方に後付けできる薄型・軽量のモジュール。接触面の圧力分布を捉え、共通の読み出し方式とデータ形式を用いる構成を目指す。
  • 統合ソフトウェア「HaptoConnect」:触覚データを映像や動作データと時刻同期させ、ロボット学習に利用可能な形式に変換するソフトウェア。UMI方式での収集に対応し、学習フレームワーク「LeRobot」やシミュレータ「Isaac Sim」への接続を整える。

検証作業としてはワイヤーハーネスに関わる差し込みや接続などを想定しており、触覚情報の有無による学習結果の比較や、研究機関での試験導入を通じて適用可能性を確かめる予定である。なお、両名称は開発計画上のものであり、仕様や提供時期は進捗に応じて案内される。

現場データ取得から実機検証・導入支援への事業展開

commissureは、カメラを備えた手持ち型グリッパーで人の作業実演からデータを集める「UMIデータ取得サービス」を提供している。今後は本事業で開発する触覚技術を同サービスと組み合わせ、力加減が結果を左右する工程への対応を進める。

対象作業の選定からデータ収集・加工、モデル学習、実機検証までを一貫して支援する体制を整え、企業向けの研修や技術設計、導入支援を展開していく方針である。現場データの取り扱いは顧客と合意した範囲に限定し、研究用公開データとは区別して管理される。

同社の溝橋正輝代表取締役CEOは、採択を契機に実機検証をつなぎ現場での実証を重ねて事業拡大に取り組む旨を述べている。また、堀江新代表取締役CTOは、触覚モジュールと学習ソフトウェアの開発を通じて実験を始めやすい環境を整え、現場の作業に役立つ技術へ磨いていく意向を示している。

本記事は株式会社commissureの発表をもとに作成。

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