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JDSCのドローン活用による鳥獣・疾病対策、農林水産省のAI実装プログラムに選定

東京都文京区に本社を置き、加藤 エルテス 聡志氏と佐藤 飛鳥氏が代表取締役を務める株式会社JDSCは、応募した「ドローン活用による鳥獣・疾病対策」が、農林水産省の「AI×『農山漁村』インパクト創出ソリューション実装プログラム」に選定されたことを発表した。本ソリューションは、放牧地に設置した充電基地からドローンが自動巡回し、ウシの起立困難やシカ・クマの侵入などの異常をAIが検知して農家のスマートフォンに通知する仕組みである。同社は今後、プログラムの支援を活用し、実証に協力する自治体やJA、畜産団体、農家とともに現場実装を進める方針だ。

農林水産省のインパクト創出プログラムに20件が選定

農林水産省が実施する「AI×『農山漁村』インパクト創出ソリューション実装プログラム」は、AIを活用して農山漁村の課題解決を図り、社会や環境に対するインパクトを創出し得る取組を全国から募集・選定して現場への実装を促進するプログラムである。令和8年7月27日から8月28日まで募集が行われ、有識者から成る選定委員会の審査を経て、株式会社JDSCを含む20件の取組が選定された。

選定された取組には、以下の支援を通じて農山漁村現場への実装が図られる。

  • 農業関連企業、農山漁村の活性化に取り組む企業等の関係企業との連携支援
  • 地域金融機関の伴走支援等を通じた農家・自治体等とのマッチング支援
  • 現場実装に係る人件費等の支援

プログラムの詳細は、農林水産省の専用ページ(https://www.maff.go.jp/j/nousin/kanmin_kyousou/matchmaking/ai_solution.html)に掲載されている。

人手不足に直面する放牧地での見回り負担が背景

放牧は、牛が草地で自ら草を食べて過ごす飼養形態であり、購入飼料や日々の作業負担を抑えられるほか、アニマルウェルフェアや草地の維持の面でも利点があるとされている。しかし、放牧を担う畜産現場では高齢化や少人数化による人手不足が進んでおり、斜面や小川を含む広い地形での見回りが大きな負担となっていた。その結果、起き上がれない牛や病気の発見遅れによる死亡や治療費の発生、シカやクマの侵入、有害植物の繁茂による餌場の悪化といった損失が生じている。

AIドローンの自動巡回で見回り時間を30〜50%削減へ

本ソリューションを導入した場合、日々の操作は不要となり、AIを搭載したドローンが放牧場を毎日見回って異常があるときのみスマートフォンに知らせる。システムは以下の流れで稼働する。

  1. 自動で飛ぶ:放牧地の充電基地から、決まったルートを1日2回以上自動巡回し、基地に戻って自動で充電
  2. AIが見つける:起き上がれない・具合の悪い牛、シカ・クマの侵入、有害植物の繁茂をドローン本体のAIが判定。電波が弱い場所でも利用可能
  3. スマホに届く:異常があるときだけ、「どの牛が・どこで・何が」を写真付きの1画面で通知(LINE等でも受信可能)
  4. 2タップで答える:「合っていた/違った」の回答で、AIが現場に合わせて賢くなる

放牧地に設置するのは充電基地のみで、実証実験では見回り時間の30〜50%削減を目標としている。短期的には見回り時間の削減や異常の早期発見、中期的には牛の死亡や治療費の減少、獣害被害の減少を図り、地域全体として放牧経営の継続・拡大や新規就農の後押し、草地環境や集落機能の維持を目指す。将来的には、他の畜種や里山の獣害見守りへの展開も見込んでいる。

先端技術の実装による一次産業支援を推進

株式会社JDSC執行役員の田口裕之氏は、広島大学との「ひろしま AI サンドボックス」におけるデジタルツインの共同実証などを進める中で、技術開発にとどまらず現場で持続的に価値を生み出す仕組みづくりの重要性を強調した。今回の採択を機に、自治体やJA、畜産団体、民間企業との連携を強化し、先端技術の社会実装を加速させる意向を示している。同社は実証や導入に協力する自治体や農家を広く募集し、畜産現場の負担軽減と持続可能な経営の実現を目指すとしている。

本記事は株式会社JDSCの発表をもとに作成。

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