オラクル、Autonomous AI Lakehouseの新機能を発表
オラクルは米国ラスベガスで開催されたイベント「Oracle AI World」において、「Oracle Autonomous AI Lakehouse」の新機能を発表した。この機能拡張は、利用者やAIエージェントへのビジネス・コンテキストの提供、多次元シミュレーションの実行、データ資産に対するガバナンス強化を支援するものである。不要なデータ移動を行うことなく、業務でリアルタイムに発生するデータとApache Iceberg表に蓄積されたデータを組み合わせて活用することが可能になる。
「Autonomous AI Lakehouse」は、「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」、Amazon Web Services(AWS)、Microsoft Azure、Google Cloud、「Oracle Exadata Cloud@Customer」、「OCI Dedicated Region」で利用できる環境を備えている。今回発表された機能のうち、メタデータ拡充やコンテキスト把握を担う主要機能は今後12カ月以内に提供される予定となっている。
- AI Data Catalog:外部カタログ、OracleおよびOracle以外のデータベース、Iceberg表、アプリケーション、オブジェクト・ストア内のデータを複製することなくマウントし、包括的な把握を可能にする。エージェント型AI機能により、ビジネス・セマンティクス、データ・リネージ、ワークロード・パターンなどを活用してメタデータを拡充する(今後12カ月以内に提供予定)。
- Business Semantic Layer:生データをビジネスの意味を理解できる情報へと変換し、利用者とAIエージェントが一貫したビジネス・コンテキストを把握できるようにする。ディメンション、メジャー、指標、KPIなどを定義することで、Select AI、NL2SQL、AIによる情報取得の精度を高める(今後12カ月以内に提供予定)。
- Icebergデータのサポート強化:使い慣れたSQLでIceberg表の作成、データ投入、更新、削除を可能とし、OracleデータとIcebergデータにまたがる共通の分析モデルを提供する。タイムトラベル機能を備えた再利用可能なIcebergデータ・プロダクトの作成を支援する。
- Data Studio:データベースを事前にプロビジョニングすることなく「Oracle Data Studio」からアクセス可能な統合ワークスペースを提供する。100種類以上のデータソースに接続し、自然言語、SQL、Pythonを用いた操作に対応する。
- セキュリティと制御の一元化:AI Data Catalog上の一元化されたコントロール・プレーンにより、Oracle、Oracle以外、Icebergの各データに対してロールベースかつオブジェクト・レベルのアクセス制御を適用する。
分析と意思決定を高度化するため、多次元シミュレーション機能の統合や処理能力の向上も図られた。「Business Simulation Engine」では、「Oracle Essbase」が「Autonomous AI Lakehouse」内にネイティブに統合される。書き戻しや動的な階層集計、高度な計算、配賦をサポートし、自然言語の質問によるシミュレーション・レポート生成や、オラクルのデータベース内のデータおよびオブジェクト・ストア内のファイルに対するExcelベースの分析を支援する。
また、オブジェクト・ストレージ内のIcebergデータに対する大規模クエリ実行を高速化する「Data Lake Accelerator(DLA)」の機能も強化された。100TBのTPC-DSデータセットを用いたベンチマーク・テストにおいて、クエリ実行速度が最大3倍に向上したほか、最大クラスタ・サイズも3倍に拡大されている。
企業におけるデータ統合とアナリストの分析
北米のエネルギー・サービス企業であるLiberty Energyは、同製品を活用して財務、業務、サプライチェーン、人事労務のデータをマルチクラウド環境全体で統合している。Liberty EnergyのIT担当バイスプレジデントであるRhett Rowan氏は、現場の売上や在庫使用量、コスト、収益性をリアルタイムに把握でき、Apache Iceberg表とAmazon S3、Amazonのデータベース、Azure上のMicrosoft SQL Server、MongoDB、PostgreSQLのデータをシームレスに統合できる点に言及している。
また、theCUBEの共同創業者兼チーフ・アナリストであるDave Vellante氏は、エンタープライズAIの次の段階においてデータへのアクセスとビジネス・コンテキストの結合が重要になると指摘し、オラクルが計画や意思決定、エージェント型ワークフローのための実用的な基盤としてレイクハウスを強化していると評している。
本記事はオラクルの発表をもとに作成。
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