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豊橋総合動植物公園がアカモズの飼育下初産卵と試験放鳥を確認

日本で絶滅の危機にひんしているアカモズの保全に取り組む豊橋総合動植物公園(のんほいパーク)などの研究グループは、飼育下での初産卵と、保護・育成した個体の試験放鳥を確認したと発表した。同園などはこれらを今年の成果とし、飼育下での繁殖技術の確立と野生復帰に向けた重要な前進と評価している。また、卵を保護してふ化につなげる技術に関する論文が国際学術誌に掲載された。

飼育下での初産卵と野生復帰へ向けた試験放鳥

全長約20cmのアカモズはアジアに広く生息するものの、日本のみで繁殖する渡り鳥である。冬になると生息が確認されている北海道や長野県など東日本から東南アジアへ渡るが、本州では個体数が減少している。環境省のレッドリストで絶滅危惧種IA類に選定され、種の保存法に基づく国内希少野生動植物種にも指定されている。

豊橋総合動植物公園は2023年度から、人間環境大学環境科学部や長野アカモズ保全研究グループなどと共同で保全の取り組みを進めている。2026年には、24年に同園で人工ふ化して育った雌1羽が4個の卵を産卵した。卵は無精卵だったものの、飼育環境下での産卵確認は今回が初となった。

あわせて26年も長野県内で親鳥が放棄した卵を保護して人工ふ化させたほか、衰弱していたヒナを救護した。巣立った4羽に屋外ケージで自立訓練(馴化訓練)を実施し、このうち1羽を共同実施者が8月9日に長野県内で試験的に放鳥した。その後、自力で餌を採る姿や野生の個体と合流して行動する様子が確認されている。

野生個体群の危機的状況と学術誌への論文掲載

一方で、長野県内の観察における今年の野生下の繁殖ペア(つがい)は30組にとどまり、昨年の43組から大幅に減少した。野生個体群は依然として極めて危機的な状況が続いており、今後も繁殖地での保全と野生個体群の回復に向けた取り組みを進めていくとしている。

また、放棄されたアカモズの卵を救護してふ化へつなげる「救護孵卵(ふらん)」の技術に関する論文が2026年9月29日、共同研究の成果として国際学術誌「Zoo Biology(ズー・バイオロジー)」のオンライン版に掲載された。

二段階の「救護孵卵」技術でふ化率約56.2%を達成

豊橋総合動植物公園と人間環境大学環境科学部フィールド生態学科岡久研究室、長野アカモズ保全研究グループは、野外で放棄された卵を救護し、現地付近の小型孵卵器で一時的に管理した後に設備の整った動物園へ移送して人工ふ化させる二段階の救護孵卵技術を確立した。

2023年から3年間で長野県内の20巣から83個の卵を救護し、41羽(ふ化率約56.2%)の誕生に成功している。ふ化の成否には、親鳥が抱卵を続けていた日数や、抱卵中断中に野外で経験した最低気温、動物園での人工孵卵条件が関連していた。放棄されるまでに親鳥が抱卵した日数が長いほど、また抱卵中断中の野外の最低気温が高いほどふ化率が高い傾向がみられた。動物園での管理では、温度37.8℃で1日1回5分間の冷卵を行う条件が最も高いふ化率となった。

今後の展望と園内展示について

豊橋総合動植物公園は、生息地での巣の監視から放棄卵の救護、一時保温、動物園への移送、人工ふ化までの一連の手順を整理できたとしており、関係機関の連携が飼育個体群確立や野生復帰を後押しする基盤になると期待を寄せている。さらに、確立された技術は同様の課題を抱える他の鳥類の保全にも広く応用できると期待されている。

なお、同園でのアカモズの展示状況は以下の通りである。

  • アカモズは豊橋総合動植物公園内野鳥園で見ることができる(※令和8年10月28日現在、一時的に展示を中止しています。再開時はのんほいパークHP https://www.nonhoi.jp/ でお知らせします。)

本記事は豊橋総合動植物公園の発表をもとに作成しています。

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