コスモエネルギーホールディングスと群馬大学、SS跡地でエッジDC実証へ 国内初
コスモエネルギーホールディングス株式会社(代表取締役社長:山田 茂)と国立大学法人群馬大学は、地域分散型データインフラの事業化に向け、エッジデータセンター(エッジDC)の実証(PoC:Proof of Concept)を群馬県内にあるコスモエネルギーグループのサービスステーション(SS)跡地で開始します。データが生成される現場の近くで処理を行うエッジDCは、都市部の大型ビル型データセンターに比べて地域電力への負荷が小さい省電力型インフラとされています。エネルギー企業の保有拠点を活用したエッジDCの実証は国内で初めての試みです。
実証の背景とエッジDCが果たす役割
AIの普及が進むなか、工場や医療、物流拠点といった地域産業の現場では、映像やセンサー情報などの大容量データを活用したAI対応が求められています。コスモエネルギーグループはこうした現場で生成されるデータを新たな戦略資源と位置付けています。
一方で、データを都市部の大規模データセンターやクラウドに送って処理する手法には、通信量や転送費用の増大による通信コスト、遠隔通信に伴う通信遅延によるリアルタイム処理の難しさ、医療データや製造ノウハウなどを外部に送る際の機密性といった課題が伴います。こうした課題への対応策として、データの発生場所の近傍で処理を行うエッジコンピューティングが重要視されています。
群馬県内2拠点で閉域網を用いた実証を実施
今回の実証では、群馬県内にあるコスモエネルギーグループの2拠点にエッジDCを配備し、インターネットから切り離された専用回線である閉域網で接続します。検証設備にはGPUサーバー、電源、冷却設備などが搭載されます。
実証期間は2026年11月~2027年9月(予定)となっており、群馬大学の研究におけるエッジDCの利用を通じて、有効性の確認や事業化に向けた課題の検証を進めます。
主な検証項目は以下の通りです。
- 通信コスト:現場の近くで処理して必要なデータのみを転送することで、転送量の削減と経済性を検証
- 通信遅延:現場付近での処理により、通信遅延を低減できるかを検証
- 機密性:閉域網内で処理を行うことで、外部に出さずに安全に処理できるかを検証
参加組織の役割と地域拠点活用の意義
本実証における各者の役割は以下の通りです。
- コスモエネルギーグループ:エッジDCの設置・運用、閉域網の構築、企業との調整
- 群馬大学:研究でのエッジDCの利用と有効性の評価
コスモエネルギーグループは長期ビジョン「Vision 2035」でAIやデジタル化の進展、データセンター需要の拡大を事業環境の変化と捉えています。同グループは全国にSSやSS跡地、既存事業の遊休地などを抱えており、これらを活用することで新たな用地確保を行わずに地域分散型のデータ処理拠点を整備できる利点があります。
一方の群馬大学では、医療データやフィジカルAIの研究が進められており、高機密データを学外に出さずに処理する環境を求めていました。製造業が集積する群馬県の環境を生かし、得られた知見を地域企業での活用につなげていく方針です。
幅広い産業への展開とデータの地産地消を目指す
コスモエネルギーグループは、本実証を通じて得た知見をもとに、製造、物流、医療、インフラ点検などの幅広い分野での活用を検討し、エッジDCの事業化を目指します。
将来的には、群馬県内での取り組みをモデルケースとし、グループが保有するSS跡地や運用中のSS、その他既存事業の遊休地といった拠点への展開を視野に入れています。地域で生まれたデータを地域内で処理する「データの地産地消」を通じて、地域企業の生産性向上や医療・行政サービスの高度化など、地域社会のデジタル化を支援していく考えです。
本記事はコスモエネルギーホールディングス株式会社の発表をもとに作成されています。
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