GENSHI AI、創業支援プログラム1stRound第15回支援先に採択
医療向け生成AI基盤の開発を手がける株式会社GENSHI AIは、東京大学協創プラットフォーム開発株式会社(東大IPC)が運営する大学・研究機関共催型創業成長支援プログラム「1stRound」の第15回支援先に採択されました。同社は医師免許を持つエンジニアが2025年11月に創業したスタートアップで、患者情報を院外に出さずに活用できる医療機関向け生成AI基盤などを展開しています。
院内・国内閉域で稼働する医療特化型AIプロダクト

2024年4月に適用された医師の時間外労働の上限規制以降、医療現場では業務効率化が急務となっており、退院サマリーや診療情報提供書などの文書作成業務が大きな負担となっています。一方で、患者情報の院外クラウド送信への懸念や「3省2ガイドライン」への対応、電子カルテとの連携などが課題となり、医療機関での本格的な導入が進みにくい状況がありました。

GENSHI AIはこれらの課題に対し、以下のプロダクトを開発・提供しています。


- 閉域LLM基盤「MedLocal」:院内設置マシンや国内閉域クラウド上で稼働し、患者情報を院外に出さずにカルテから情報を収集して各種文書の下書きを作成する基盤。紙やFAXの紹介状を読み取るOCR機能も備える
- 医師向けエビデンス検索「CHUBEN」:国内の診療ガイドライン5,000本超やPubMed、OpenAlexの論文を横断検索し、回答の一文ごとに根拠を示す医師個人向けサービス
- 医療特化音声認識「GENSHI Voice」:診察時の会話を話者分離して文字起こしし、要約やSOAP形式の記録を作成する自社開発の音声認識サービス

自社開発の基盤モデルと今後の展開

同社は、医療特化の文章埋め込みモデル、OCR、軽量言語モデル、音声認識といったコア技術を自社開発しています。2026年8月には軽量OCR基盤モデル「Baberu OCR」で経済産業省・NEDOの「GENIAC-PRIZE」国産基盤モデル開発事業者リストに掲載されました。また、Mac Studio 1台で完全オフライン稼働させたオープンウェイトのLLMにおいて、第120回医師国家試験の一般臨床問題で正答率89.7%を確認した検証結果も公開しています。

MedLocalは事業立ち上げ直後から20件以上の問い合わせがあり、現在は複数の医療機関でパイロット導入の準備を進めています。今後は提供形態の拡大や電子カルテ連携の強化、各プロダクトを組み合わせた一気通貫のワークフロー提供などを進めるとしています。

同社代表取締役の長嶋大地氏は、「患者情報を守れること」と「日本の臨床で役に立つこと」の両立が医療現場での生成AI活用に欠かせないとした上で、支援とネットワークを活かして医療機関が安心してAIを使える環境の実現を目指す意向を示しています。
創業成長支援プログラム「1stRound」について

「1stRound」は、大学に関連する技術や着想の事業化・社会実装を支援する国内最大規模のアカデミア横断型創業成長支援プログラムです。2017年に東京大学を母体にスタートし、Non-Equity資金支援やハンズオン支援などを提供しています。
過去9年半で累計118チームを採択しており、過去採択チームの資金調達成功率は約90%、大型助成金の採択率は50%以上を達成しています。
株式会社GENSHI AI 概要
- 会社名:株式会社GENSHI AI(GENSHI AI Inc.)
- 代表者:代表取締役 長嶋 大地
- 所在地:東京都千代田区神田和泉町1番地6-16 ヤマトビル405
- 設立:2025年11月
- 事業内容:医療AI開発(Clinical AI)、AIモデル受託開発、企業向けAIソリューション提供
- コーポレートURL:https://genshi.ai
本記事は株式会社GENSHI AIの発表をもとに作成されています。
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