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岡三証券とTISI、JICAとのブロックチェーン資金調達共同研究レポートを公開

岡三証券株式会社とTISI株式会社は、独立行政法人国際協力機構(JICA)との共同研究として進めてきた「ブロックチェーン技術を活用した資金調達に関する研究・実証実験」プロジェクトの成果を取りまとめた共同研究レポートが、JICAから10月21日付で公開されたことを発表した。三者は2026年2月より本共同研究を進めており、ブロックチェーン技術を活用して発行・管理されるデジタル形式の債券であるセキュリティトークン債(ST債)の活用可能性について検証を行ってきた。本研究・実証はJICAによるST債発行を仮想的に想定したものであり、JICAとしてST債の発行方針・計画や具体的な商品条件を決定したものではないとしている。

研究・実証実験の背景と目的

日本の政府開発援助(ODA)を一元的に担う実施機関であるJICAは、開発途上地域の経済・社会の開発等に取り組んでいる。開発途上国では2030年までのSDGs達成に向けて年間約4兆ドルの追加投資が必要と見積もられる一方、ODA予算は横ばい・減少の傾向にあり、開発課題の解決には民間資金の動員が一層重要となっている。こうした構造的な課題を背景に、JICAは民間資金を開発分野へ動員する触媒機能の強化と、資金調達手段の多様化に取り組んでいる。

ブロックチェーン技術を活用したST債は、従来複数の関係者やシステムで管理していた権利や取引情報をデジタル上で管理できるため、業務の効率化や関係者間の情報連携の高度化に加え、投資家の同意を前提とした保有投資家との継続的な接点構築が期待されている。本研究・実証は、JICA、東京都中央区に本社を置く岡三証券(代表取締役社長:大杉 茂)、東京都新宿区に本社を置くTISI(代表取締役 社長執行役員:岡本 安史)の三者が、発行体・証券実務・STプラットフォームのそれぞれの観点を持ち寄って実施した。ST全般の将来的な可能性を広く検証するのではなく、現時点で実務上実施可能な領域を対象に、投資家との継続的な情報共有や対話を中心に据えた検証が行われた。

先行事例の分析と仮想シミュレーションの検証結果

検証では、国内で発行されたST債等の先行事例分析、振替債との比較による業務フローの整理、独立行政法人国際協力機構法および同施行令に基づく制度上の整理などを実施した。制度面では、ST債を発行する場合に投資家の権利関係を第三者に対してどのように対抗できるかという制度上の論点について確認が必要であることを整理している。

また、JICAによるST債発行を想定したシミュレーションでは、発行コンセプトとして「気持ちも、変化も、途切れない。つながりが持続する国際協力」を掲げた。JICAが開発途上国で実施したプロジェクトの現場を3D再現画像(XR)で紹介するサイトへのアクセス権を投資家特典とする実証サイトを制作し、情報・参加機会・体験等を組み合わせることが投資家の理解や参画感を支える付加的な価値となり得るとの示唆を得た。あわせて、TISIが提供するSTOプラットフォーム「STLINK」上で、仮想的な発行条件と役割分担の下、募集から償還までの一連の業務を確認した。

本研究・実証を通じて、デジタル債の意義は発行手続きのデジタル化にとどまらず、発行体と投資家の関係性を再設計できる点にあることが示唆された。手続き・コスト・流動性の面で一律に振替債より優位とは言えない一方、投資家への情報発信やエンゲージメントの面では優位性を有すると考えられるという。資金使途や事業の進捗・成果を継続的に共有できる特徴は、地方公共団体や公共インフラ事業、スポーツ・文化などファンやコミュニティを基盤とした分野への応用も期待されるとしている。

レポートでは、第三者対抗要件の整理といった制度面の論点に加え、発行体が既に保有する施設・情報・コンテンツ等を活用した非金銭的価値の具体化や、投資家との継続的な関係を支える運営体制の設計など、今後さらに検討を深めるべき課題も整理されている。

本プロジェクトに参画した各団体の概要は以下の通りである。

  • 独立行政法人国際協力機構(JICA)

本部:東京都千代田区、理事長:田中 明彦

  • 岡三証券株式会社

本社:東京都中央区、代表取締役社長:大杉 茂

  • TISI株式会社(TISインテックグループ)

本社:東京都新宿区、代表取締役 社長執行役員:岡本 安史

本記事は岡三証券株式会社およびTISI株式会社の発表をもとに作成。

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