地元・近江八幡への想いを込めて、クラブハリエが初の米粉使用「バームクーヘン」を返礼品に
バームクーヘンで知られる滋賀県近江八幡市の洋菓子店・クラブハリエから、ふるさと納税返礼品限定「近江八幡バームクーヘンmini」が誕生した。創業以来初めて米粉を使用したバームクーヘンという。実は米粉は、バームクーヘン作りには向かない素材。それでもあえて挑戦した理由とは——。
日本人の味覚に合わせた独自の「バームクーヘン」
クラブハリエが最初に「バームクーヘン」を焼き始めたのは1973年。当時、バウムクーヘンは引き出物やお祝い事の定番ではあったものの、とりたてて人気のある菓子ではなかった。
ドイツ発祥のバウムクーヘンは、本場では非常に硬く詰まった食感が特徴で、現地の人々はブランデーやコーヒーに浸して食べるほどだという。これに対しクラブハリエは、日本人の好みに合わせた独自の製法を追求。「保存性を高めるため硬く焼くのが一般的ですが、私たちはギリギリのところまでしっとり感を残すよう焼き上げています」と同社広報担当者は説明する。
1999年には、阪神梅田本店に県外初出店。ガラス張りの店内で職人が目の前で焼き上げる「ショップインファクトリー」という販売スタイルを確立し、バウムクーヘンブームの火付け役となった。
米粉使用への挑戦
そんなクラブハリエが今回、創業以来初めて米粉を使用したバームクーヘンを開発した。お菓子作りで米粉を使う際は、通常、小麦粉の代用として使用する。しかし米粉は、小麦粉特有の粘り気や生地の弾力が失われやすく、スポンジ生地のふんわり感やしっとり感が出しにくい素材だった。
この課題を克服するため、同社は「もち小麦」という特殊な小麦粉を併用。味そのものは、従来のバームクーヘンから変えたつもりはないというが、食感の変わりようが衝撃的で、広報担当者が「従来のものに負けないものになった」と自信を覗かせた。
返礼品に込めた想い
なぜ、あえて米粉使用に挑戦したのか。その背景には、世界的な小麦価格高騰という事情もあったが、それ以上に大きかったのは地元・近江八幡への想いだった。
1872年創業の菓子舗たねやの洋菓子部門として、1951年に誕生したクラブハリエ。創業家の山本家は近江八幡で生まれ育ち、この地で菓子作りを始めた。現在クラブハリエは、代表取締役社長の山本隆夫氏がグランシェフを務めている。同社は長年、近江八幡で商いをしてきたからこそ、この地に還元したいという強い想いがあり、米粉など、地元の食材を使った商品の開発に挑戦したわけだ。
ちなみに、同社のフラッグシップ店「ラ コリーナ近江八幡」の敷地内には田んぼがあり、2年目の社員は研修で田植えから稲刈りまでを体験する。「私たちがお菓子を作れるのは、自然の恵みがあってこそ」と広報担当者。田植えはその原点を学ぶための研修だという。
自然や地元への感謝の想いと、近江商人発祥の地で、「三方よし」の精神を大切にするクラブハリエ。地元の素材と職人の技で作られる「近江八幡バームクーヘンmini」には、ふるさとへの深い愛着が込められている。
【商品情報】
「近江八幡バームクーヘンmini」
寄付額:6個入 9,000円、12個入 18,000円
賞味期間:7日間 特徴:原材料のもち小麦、米粉、卵は全て滋賀県近江八幡市産
販売開始:2024年11月20日
販売場所:近江八幡市ふるさと納税サイト13箇所
クラブハリエ 公式サイト
https://clubharie.jp/