パロディからリアルな商品に、SUSURU TV.「濃厚とんこつ豚無双」誕生は流れのままに?
2021年にSNSで大バズりしたパロディネタ「やばいクレーマーのSUSURU TV.」から生まれた架空のラーメン「濃厚とんこつ豚無双」が、3年の時を経て現実のものとなった。毎日ラーメンを食べ続けて3,000日以上、登録者168万人を抱える人気YouTuberが、視聴者発のネタを商品化するまでの道のりを、SUSURU TV.にも時折登場する、営業部のケンさん(SUSURULAB.)に聞いた。
ネットミームが実在のラーメンに
11月6日、SUSURU TV.が初のオリジナル冷凍ラーメン「濃厚とんこつ豚無双」の販売を開始した。元々は2021年にネットユーザーが投稿したパロディネタだったこのラーメン。「これでもかというほどドロドロの濃厚スープ」「ワシワシとした食感の麺」が特徴とされる架空の存在だったが、今回のラーメンはそれを見事に再現している。(ちなみにパロディでは「麺に髪の毛、スープに虫が入っている」が、実際の商品では残念ながら?再現されていない)
そんな「濃厚とんこつ豚無双」、元々は美味しいか否かではなく、いかに濃厚にできるか、インパクトがあるかを重視して開発された。にもかかわらず、完成すると意外に美味かったんだそう。
実際に試食した人々からは「これまで食べたラーメンで1番濃厚」「豚が無双していた」といった声が。また、料理研究家のリュウジさんも動画で取り上げ、アレンジレシピと共に高評価を与えている。さらに「無鉄砲みたい」という感想も多く、濃厚豚骨ラーメンの代名詞的存在との比較も出るほどの仕上がりとなった。いったいどんな味わいなのか、ぜひSUSUってみたいところだ。
ヤバいパロディも受け入れてしまうSUSURU TV.
「やばいクレーマーのSUSURU TV.」は、あるネットユーザーが遊び心で投稿したパロディ動画がきっかけで広がった。その後、多くのネットユーザーや著名人が参加し、「ネット流行語100」にもノミネートされるほどの盛り上がりに。SUSURU本人もこのネタに乗っかり、さらなる話題を呼んだ。
念のため指摘しておくが、ラーメン愛に満ち、ラーメン店へのリスペクトを忘れないSUSURUは、そんなクレームは絶対に言わないのでご注意を。それにしてもこうした乗っかりなど、いかにもSUSURU TV.という感じでフフッとなる。
厨房で1週間かけた開発、そこからなんとなく商品化
では、この商品化は当初から計画されていたのだろうか。「今年の3月に、親しいラーメン店から『1週間だけ厨房を貸せる』と声をかけていただいて。せっかくだから動画企画として『豚無双作ろうか』という話になった」とケンさん。
一週間、厨房に籠もって開発を進めたSUSURUは、YouTubeの動画を見たり、親しいラーメン店主たちの助言を得たりしながら、初めてのラーメン作りに挑戦。その様子を収めた1時間半の動画は170万回以上再生され、大きな反響を呼んだ。
その後、6月に開催された300食限定の「濃厚とんこつ豚無双」のお披露目会は即完売。アンケートでは93%の来場者が「友人にお勧めしたい」と回答した。
「最初は『なんとなくいつか作れたらいいよね』くらいの気持ちでした。設計されていたというより、流れの中で生まれた商品です」とケンさんは振り返る。商品化の動きが本格化したのは、ここ半年ほどだという。こうして、ノリで完成してしまったのが「濃厚とんこつ豚無双」だった。
ネット上のパロディから始まり、クリエイターが受け入れ、ファンと共に育て、そして現実のものとなった「濃厚とんこつ豚無双」。その背景も含め、実に魅力的な一杯だ。
「濃厚無双ラーメン海苔トッピング」販売ページ(SUSURU TV.公式オンラインショップ)
https://shop.susurulab.co.jp/pages/buta-musou
ちなみに11月19日時点では、「濃厚とんこつ豚無双」とネットで検索すると、ファンが勝手につくった「濃厚とんこつ豚無双 ホームページ」がトップ結果に表示されていた(現在は、本物のECサイトがトップに)。わざわざネタサイトを作るファンもだが、放置しているSUSURU TV.もどうかしてると思えてしまう……。