QFF、福島浜通りで耐暑性と高糖度を兼ね備えたトマトの育種実証へ
株式会社クォンタムフラワーズ&フーズ(QFF)は、福島県および公益財団法人福島イノベーション・コースト構想推進機構が実施する「2026年度 Fukushima Tech Create アクセラレーションプログラム」に採択された。同社独自の非遺伝子組換え(非GMO)育種技術「中性子線スピーディ育種®」を活用し、耐暑性と高糖度・良食味を兼ね備えた施設園芸用トマトの開発を目指す。福島県いわき市の株式会社ワンダーファームと連携し、福島浜通りにおける次世代の「施設園芸クラスター」の形成を目指すとしている。
採択の背景と事業内容
近年、地球温暖化や異常気象による夏季の高温が農業現場での課題となっている。施設園芸ではハウス内の温度上昇に伴う着果不良や収量低下、糖度・食味の低下に加え、換気や冷房などの設備・エネルギーコスト増加が負担となっている。
採択された事業名は「中性子線スピーディ育種による福島浜通りの施設園芸高度化と農業クラスター形成」で、農林水産業分野における施設園芸用トマトを実証対象とする。主な内容は、大玉トマトの固定種への照射や照射条件の検討、実証栽培による変異集団の作出、ニーズ調査、次年度以降の大規模スクリーニングおよび事業化計画の策定などとなっている。QFFは2026年9月から2027年1月までを中心に実証および事業化検討を進める予定である。
プログラムは福島イノベーション・コースト構想推進地域での起業や事業化を支援するもので、2026年度は公益財団法人福島イノベーション・コースト構想推進機構から委託を受けた株式会社リバネスが運営している(公式サイト:https://fica.jp/acceleration/)。

「中性子線スピーディ育種®」は、中性子線を植物や微生物に照射して多様な突然変異を誘発し、目的の特性を持つ新たな系統の創出を目指すQFF独自の技術である。
中性子線は透過性が高く種子などの内部まで到達しやすい特性があり、従来の放射線育種と比較して突然変異率が15~300倍と高いとされる。遺伝子組換え技術を用いない非GMOの手法で、植物では最短1年での新系統創出を目指すことができる。本事業では作出した変異体を福島浜通りの施設園芸環境で栽培・評価し、有用系統を効率的に選抜する仕組みの構築を目指す。

実証では、福島県いわき市でトマトを中心とした事業を展開する株式会社ワンダーファームの知見や施設園芸環境と、QFFの技術を組み合わせる。事業展開は以下の3段階が計画されている。
- Phase 1(有用系統の作出実証):中性子線照射による変異集団を栽培・評価し、有用個体を選抜して施設園芸に適した系統の作出可能性を検証
- Phase 2(品種開発・評価拠点の拡大):大規模な栽培・スクリーニング拠点の形成を検討し、野菜、果樹、花卉などへの対象拡大も模索
- Phase 3(「施設園芸クラスター」の形成):ブランド品種の改良や新ブランド開発を進め、品種開発から生産、加工、販売までが地域内で連動するクラスター形成を目指す
QFFの代表取締役CEO&CTOである菊池伯夫は、耐暑性と高糖度・良食味を兼ね備えたトマトの開発可能性を実証し、将来的には多様な作物の展開へ発展させたい旨を述べている。
会社概要

- 社名:株式会社クォンタムフラワーズ&フーズ(QFF)
- 所在地:東京都中央区日本橋人形町3丁目7-14 セブンビル7F
- 代表取締役CEO:菊池 伯夫
- 事業内容:中性子線育種・量子バイオ技術の開発、供与、知財管理
- 設立:2018年7月
- HP:https://qff.jp
本記事は株式会社クォンタムフラワーズ&フーズの発表をもとに作成しています。
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