シークルーズ、天草で野生イルカを水中観察できる新クルーズを2027年12月開始へ
熊本県上天草市に本社を置く株式会社シークルーズは、熊本・天草の海に生息する野生のミナミハンドウイルカを水中と水上の両方から観察できる新クルーズ「Dolphin Safari(ドルフィン・サファリ)」のプロジェクトを始動させました。水中展望室を設けた専用船を新造し、2027 年 12 月の運航スタートを目指します。水上デッキから海面を見るだけでなく、イルカと同じ水中の目線から野生の生態を観察できる体験の提供を計画しています。



水中と水上の双方から野生の生態に迫る「Dolphin Safari」
「野生へ、出航しよう。」をコンセプトに掲げる「Dolphin Safari」では、新造する専用船に水中展望室を設置します。水上デッキからの観察に加え、条件が整えば至近距離で母イルカと赤ちゃんイルカの姿や魚をくわえて泳ぐ様子、視線が交わる瞬間などを水中から目撃できる設計です。天候や潮流、群れの状況により見られる光景が変わる不確実性も含めたサファリ体験の提供を目指しています。

同社によると、野生イルカの鑑賞を主目的とし、同一の専用船で水上・水中の観察空間と専門ガイドの生態解説を一体提供する国内サービスとしては日本初かつ唯一の取り組みとしています(※2026年9月の同社調べによる国内野生鯨類観察事業者・水中展望船事業者等の公開情報照合結果に基づく)。なお、本サービスはイルカとの遭遇後に水中展望室からの観察を通常プログラムとして実施するもので、海況などにより水中窓からの視認を保証するものではありません。
2025 年 7 月にはツネイシクラフト&ファシリティーズの旅客船をチャーターした実証実験が行われ、水中展望窓の近くを泳ぐイルカの群れや筋肉の動き、摂食・排泄の様子、鳴き声などが確認されました。本運航に向けては、得られたデータをもとに船型や水中展望室、船内動線を改良し、水中の音を伝えるハイドロフォンの導入も予定しています。
創業50周年に向けた開発経緯と課題への取り組み
シークルーズは長年、天草でイルカウォッチング事業を展開しており、現在は年間2.5万人以上(年間 20,000 人以上)が利用し、その約70%を外国人旅行者が占めています。従来の海面に現れるイルカを見る体験から、野生のイルカが暮らす世界そのものを体験できるコンテンツへの転換を図るため、2024年8月に構想が動き始めました。2027年9月に迎える創業50周年を見据え、既存船の代替にとどまらない新たな観光資源の創出を目指しています。
2024年11月にツネイシクラフト&ファシリティーズから水中展望船の提案を受けたことを機に計画が具体化し、沖縄の水中展望船視察や実証実験を経て開発が進められてきました。野生動物を対象とするため行動の予測が難しい点に対し、同社では水上・水中の双方から観察できる船体設計、船内動線の確保、ハイドロフォンの導入、現場で行動を解説できる専門ガイドの育成に注力するとしています。

水戸岡鋭治氏が新造船のデザインを担当
専用船の船体・空間デザインは、ドーンデザイン研究所の水戸岡鋭治氏が担当します。水戸岡氏はこれまで同社のCIや5隻の船舶リニューアルを手がけており、今回は新造船を一からデザインします。乗船からイルカ探索、水上・水中観察を一連の体験としてつなぐ設計が進められています。

<専用船の概要>
- 船名:未定
- 発着地:熊本県上天草市松島(前島)港 シークルーズ専用桟橋
- 総トン数:19トン(予定)
- 旅客定員:48名(予定)
- 主な設備:水中展望室、船内客室、オープンデッキ、トイレ等
- 船体・空間デザイン:ドーンデザイン研究所 水戸岡鋭治氏
- 建造:ツネイシクラフト&ファシリティーズ
- サービス開始:2027 年 12 月(予定)
※船舶の形状、仕様、サービス内容等は準備過程で変更となる場合があります。
生態解説を軸にした滞在型観光の推進

クルーズでは専門ガイドによる解説を重視し、個体ごとの身体的特徴や親子の関係、群れの行動、天草の海洋環境などを目の前で起きている状況と結び付けて伝えます。

シークルーズ代表取締役の瀬崎公介氏は、実証実験でイルカの全身の泳ぎや鳴き声を間近に確認した経験に触れ、「単に『もっとイルカがよく見える船』ではなく、野生のイルカと同じ海の中を見て、今まさに起きている行動を観察し、その意味を専門ガイドから知る体験を提供したい」としています。
同社は海外DMCや旅行会社、OTAと連携して旅行商品の造成を進め、周辺のミオカミーノ天草などの観光施設とも組み合わせた滞在型観光への展開を図る方針です。

本記事は株式会社シークルーズの発表をもとに作成しました。
ビジネスパーソンの課題解決と納得感にこだわるDellows News編集部。キャリア論からAI、健康法まで幅広い分野に対応し、複雑なテーマでも平易な言葉で丁寧に解説。読者が「明日から使える」知識やヒントを得られるよう、具体的な事例・データ・専門家の見解を交えて執筆。情報を整理し、納得感ある記事づくりを心がけています。



