フジクラ、米CFS社と1万km超の高温超電導線材の長期供給契約を締結
株式会社フジクラは、フュージョンエネルギー分野の民間企業であるCommonwealth Fusion Systems(CFS社)と、ARC発電プラントの商用展開に向けた高温超電導線材の長期供給契約を締結しました。フジクラは本契約に基づき、CFS社へ1万kmを超える高温超電導線材を供給します。本契約は高温超電導線材に関する契約として過去最大規模となります。


1万kmを超える線材を米国の送電網規模初号プラントへ供給
供給される高温超電導線材は、CFS社が開発を進めるARC発電プラントに使用されます。まずは米国バージニア州チェスターフィールド郡のFall Line Fusion Power Station™で開発が進められている、送電網規模の初号プラントに採用される予定です。
フジクラの代表取締役社長CEOである岡田 直樹氏は、本契約を通じてARC発電プラント向け高温超電導線材の主要サプライヤーとしての地位を強化し、商用フュージョン発電所の運転開始が期待される2030年代以降を見据えて長期的な事業基盤の構築を進めるとしています。
生産能力の増強投資とサプライチェーン構築
本契約は、高温超電導線材に関する過去最大規模の契約であり、ARC発電プラントのサプライチェーン構築における重要なマイルストーンと位置づけられています。フジクラは、線材を大規模に供給できる体制を整えるため、生産能力の増強に向けた投資を進めています。
CFS社のCEO兼共同創業者であるBob Mumgaard氏は、このパートナーシップについて、SPARCがエネルギー増倍率Q>1を達成した後のARC発電プラント実現を見据えた具体的な発注と準備を示すものであるとし、フジクラとともに生産体制を拡大していく意向を示しています。

フュージョンエネルギーは、太陽の反応と同様に重水素や三重水素などの軽い原子核が融合して別の原子核になる際に放出されるエネルギーで、燃料1グラムから得られるエネルギーは約8トンの石油燃焼分に相当すると推定されています。約1億度の超高温プラズマを磁場で閉じ込める磁場閉じ込め方式では、強力な磁場を発生させる高温超電導マグネットが用いられます。
フジクラの高温超電導線材は、1991年に独自開発したIBAD法(イオンビームアシスト蒸着法)を基盤とし、液体窒素温度(-196℃)でも電気抵抗がゼロとなる特性を持ちます。強磁場中でも高い臨界電流を維持できるため、フュージョン発電プラントの小型化や設備投資額の低減に寄与することが期待されています。
本契約の相手先であるCFS社の概要は以下の通りです。
- 企業名: Commonwealth Fusion Systems(CFS社)
- 設立: 2018年
- 資金調達額: 設立以来40億米ドル
- 主要プロジェクト: 正味エネルギーの生成を目指す「SPARC」
本記事は株式会社フジクラの発表をもとに作成しています。
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