奥泉光の偽書小説木蓮記が2026年9月30日に発売へ
作家の奥泉光による小説『木蓮記』が、2026年9月30日に刊行されます。本作は「新潮」2026年1月号から3月号に掲載された作品で、明治の洋画家による自叙伝という体裁をとった偽書小説です。
明治の洋画家の自叙伝を模した物語
『木蓮記』は、明治の洋画家である松枝獏園の自叙伝という設定で展開されます。作中では、1941年に神保町の桐谷書店から出版された書籍を「アジア奇譚叢書」に収録することになったという体裁がとられています。
主人公の松枝獏園は旗本・筧家の庶子として生まれ、奇人蘭学者に育てられた人物です。幕末の動乱期を背景に、筧四兄弟の歩みや、木蓮にのぼり異界を見る義姉・豊根の失踪などが描かれます。
装丁や旧かなづかいなど細部にわたる演出
本作には、読者に実在する書籍を想起させるような複数の工夫が施されています。主人公が生まれ育った舞台である牛込の屋敷をイメージした表紙カバーをめくると「アジア奇譚叢書」風の表紙が現れる装丁となっており、松枝の手による木蓮の絵も本文中に再現されています。
文章面では、旧かなづかいを用いたモノローグ調の語り口が採用されています。また、奥泉光の過去作品である『坊ちゃん忍者幕末見聞録』や『虚傳集』に登場した複数の人物がスピンオフ的に登場します。
著者・奥泉光の略歴
著者の奥泉光は1956年山形県生まれです。1986年に「地の鳥 天の魚群」でデビューを果たしました。
これまでに『ノヴァーリスの引用』で野間文芸新人賞と瞠目反文学賞、『石の来歴』で芥川賞、『神器 軍艦「橿原」殺人事件』で野間文芸賞、『東京自叙伝』で谷崎潤一郎賞、『雪の階』で柴田錬三郎賞と毎日出版文化賞を受賞しています。2025年には『虚史のリズム』で毎日芸術賞を受賞しました。
書籍データ
- タイトル:木蓮記
- 著者名:奥泉光
- 発売日:2026年9月30日
- 造本:四六判変型
- 定価:2420円(税込)
- ISBN:978-4-10-391205-7
- URL:https://www.shinchosha.co.jp/book/391205/
本記事は新潮社の発表をもとに作成しました。
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