防衛関連取引企業で建設業が最多に 西日本シフト進む 帝国データバンク調査
帝国データバンクは、防衛省や自衛隊などの防衛関連組織と直接取引のある企業4628社の実態調査結果を公表しました。第2次安倍政権が発足した2013年を起点に業種や地域、企業規模などを分析したところ、業種別では建設業の構成比が増加して最多となったほか、地域別では沖縄県をはじめとする西日本での増加が目立つなど質的な変化が明らかになりました。
施設強靭化施策を背景に建設業が最多へ
防衛関連産業に携わる企業を業種別にみると、建設業の構成比が2013年の29.1%から2026年には31.5%へと2.4pt上昇し、卸売業(30.6%)を抜いて最多となりました。2022年に閣議決定された防衛力整備計画に基づく自衛隊施設の強靱化を受け、既存施設の保守や更新を中心に建設需要が高まったことが要因とみられます。
3番目に構成比が大きいサービス業では、デジタル戦略の伸長を背景とした受託開発ソフトウェア業や、設計・施工管理を担う土木建築サービス業の増加が全体を押し上げました。一方、製造業、卸売業、小売業はそれぞれ構成比が減少しており、防衛省側による契約業者の選択と集中が進んでいるとみられます。
防衛の力点は東日本から西日本・沖縄へシフト
地域別の構成比では、九州が15.1%から16.8%へ1.7pt上昇するなど、西日本では軒並み増加傾向を示しました。対照的に北海道は12.1%から10.2%へと1.9pt低下しており、国土防衛の力点が西日本へシフトしている状況がうかがえます。

都道府県別では、南西諸島の防衛強化に伴う工事発注拡大により、沖縄県の構成比が3.1%から5.1%へ2.0pt大幅に上昇しました。なお、全体の構成比トップは東京都の22.8%(2013年比1.2pt低下)で、北海道の10.2%(同1.9pt低下)、神奈川県の7.5%(同0.9pt低下)、沖縄県の5.1%(同2.0pt上昇)が続いています。
発注規模拡大に伴い中規模・中堅企業へ集中
売上規模別にみると、1-10億円未満が55.1%から49.8%へ5.3pt低下し、1億円未満の零細業者も15.3%から14.4%へ0.9pt低下しました。一方で、年商10億円以上のレンジはすべて構成比が上昇しており、10-50億円未満は19.7%から23.0%へ3.4pt上昇(※小数第2位を四捨五入しているため計算後の表記と一致しない)しました。

従業員規模別でも、50人未満のレンジが軒並み低下し、5-10人未満が17.8%から16.3%へ1.5pt低下したのに対し、50人以上のレンジではすべて上昇しました。防衛費の拡大に伴い事業規模が大きくなる中、財務や営業の体力がある中規模・中堅企業が選ばれやすい傾向にあると推察されます。
調査概要

- 調査機関: 帝国データバンク
- 情報源: 信用調査報告書ファイル(200 万社収録)、企業概要データベース「COSMOS2」(151 万社収録)、公開情報など
- 分析対象: 防衛省や各地の自衛隊、防衛関連組織と直接取引のある企業4628社
本記事は帝国データバンクの発表をもとに作成しました。
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