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IFS調査、世界の公益事業で投資戦略に変化 送電網信頼性とAI活用が鍵に

産業用AIソフトウェアを提供するIFSは2026年9月24日、世界のエネルギー・公益事業者を対象とした調査結果を発表しました。老朽化したインフラや料金負担抑制への圧力、データセンターや電化の進展に伴う電力需要の増加を背景に、中核業務の強化とエネルギー転換を両立させる投資戦略への転換が進んでいる実態が明らかになりました。調査では、送電網の強靭化や資産ライフサイクル管理の高度化に向け、産業用AIを基盤とした取り組みが進んでいる状況も示されています。

送電網の信頼性強化と既存インフラの再評価

Censuswideが世界の公益事業の経営幹部および上級管理職850人を対象に実施した調査によると、経営層が最も重要な業務課題として挙げたのは既存送電網の信頼性強化でした。異常気象やサイバー脅威への備えとして送電網のレジリエンス向上が求められており、回答者の26%が既存の送電網インフラへの投資を優先するために保有資産のポートフォリオを積極的に再評価しています。

IFSのエネルギー・公益事業担当バイスプレジデントであるキャロル・ジョンストン氏は、運用環境や地政学的な情勢の変化を受け、サステナビリティという目標を維持しつつも、よりバランスの取れた投資方針が求められるようになっていると指摘しています。

運用コスト削減や需要増への対応で高まるAIの重要性

産業用AIは、分断されたシステムの統合や設備の故障予測、業務フローの自動化を担う基盤として位置づけられています。調査では、公益事業の経営層の57%が運用コストの削減にAIが極めて重要であると回答しました。

また、ほぼ半数にあたる47%が、資産パフォーマンスの最適化や電化に伴う需要増への対応にAIが極めて重要だと回答しています。さらに、再生可能エネルギーや分散型エネルギーの統合を加速するうえでも、46%がAIを極めて重要と位置づけています。

資産ライフサイクル管理の高度化とデータサイロの解消が課題

新技術の導入が進む一方で、データ基盤の課題も浮き彫りになりました。回答者の49%が、業務データのサイロ化によってリアルタイムの意思決定が困難になっていると回答しています。

資産ライフサイクル管理の能力を「高度」と評価した割合は33%にとどまりました。51%は資産管理システムを導入しているものの、サイロ化した状態で運用しており、予測機能も限られていると回答しています。

送電網の柔軟性を高める新技術と次世代エネルギー

需要変動への対応や長期停電防止に向け、蓄電池システム(BESS)や分散型エネルギー資源管理システム(DERMS)など、送電網の柔軟性を高める取り組みが広がっています。

今後、クリーンなベースロード電源を継続的に確保するうえで長期的に最も大きな影響を与える技術としては、以下の項目が挙げられました。

  • 次世代地熱発電(22%)
  • 小型モジュール炉(SMR)(18%)

本調査のレポート全文は、9月末に公開される予定です。また、IFSは2026年10月12日から16日まで、米国フロリダ州オーランドで年次カンファレンス「IFS Unleashed 2026」を開催します。

本記事はIFSの発表をもとに作成。

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