建仁寺法堂をメタバース上に再現 岡山大学が小児・AYA世代患者向け体験を開発
国立大学法人岡山大学学術研究院医歯薬学域(医)医療情報化診療支援技術開発講座の長谷井嬢教授(特任)は、臨済宗建仁寺派 大本山 建仁寺(京都市東山区)の協力を得て、メタバース上に建仁寺「法堂」を再現したバーチャル空間を開発した。長期の治療により修学旅行などに参加できない小児・AYA(思春期・若年成人)世代の患者に向け、「バーチャル修学旅行」としての体験を提供する。本情報は、2026年9月15日に開催された岡山大学定例記者会見で公開された。
病室から参加できる「バーチャル修学旅行」の取り組み


修学旅行は学校生活の中で特別な意味を持つ行事である一方、がんなどで長期入院や集中的な治療を続ける小児・AYA世代の患者は、感染管理や体力・免疫力の低下により参加を断念せざるを得ない場合がある。行事は学年に一度きりであるためやり直すことができず、同世代との思い出の共有から遠ざかってしまう課題があった。

開発されたバーチャル空間では、岡山大学病院を含む全国33の病院および連携施設から患者がアバターとして参加し、自分のペースで、また全国の仲間と一緒に見学を行うことができる。
建仁寺の特別許可により「双龍図」や文化財を再現
今回の空間制作では、建仁寺の特別な許可のもとで法堂の外観と内部、天井に描かれた「双龍図」を撮影した実測データが活用された。さらに、建仁寺で展示されている俵屋宗達筆「風神雷神図屏風」の高精細複製作品なども撮影し、そのデータをもとにバーチャル空間が構築されている。
長谷井嬢教授(特任)は、診療の場で修学旅行に行けなかったという声を何度も聞いてきたとした上で、「ここでしか行けない特別な体験を届けられるよう、今後も取り組んでまいります」としている。
一般非公開で治療中の患者限定に空間を開放
本空間は一般には公開されず、全国33施設から参加する治療中の患者に限定して開放されることについて建仁寺の承諾を得ている。「みんなが行った修学旅行に行けなかった」という体験を、「自分たちだけが訪れることのできる場所がある」という体験へと転換することを目指している。
なお、本件について建仁寺への直接の問い合わせは控えるよう案内されている。


研究支援および問い合わせ先
本取り組みは、クラウドファンディング「入院中でも全国と繋がれる!小児・AYA世代がん患者さんのためのメタバース」資金および公益財団法人 日本生命財団の支援を受けて実施された。
- 問い合わせ先: 岡山大学 学術研究院 医歯薬学域(医) 医療情報化診療支援技術開発講座 教授 長谷井 嬢
- 住所: 〒700-8558 岡山県岡山市北区鹿田町2-5-1 岡山大学鹿田キャンパス
- TEL: 086-235-7273
- 詳細URL: https://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id1610.html
本記事は国立大学法人岡山大学の発表をもとに作成。



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