カワナベ工業ら、ドローンと加振レーダによるコンクリート点検工法の実証へ
カワナベ工業株式会社、国立大学法人群馬大学、株式会社アイ・ロボティクスの3者が共同提案した高所コンクリート構造物の非破壊腐食診断工法の開発が、群馬県の「令和8年度ぐんま未来共創トライアル補助金」に採択された。本事業では、加振レーダ技術と壁面移動ロボットやドローン技術、施工・インフラ維持管理ノウハウを組み合わせ、足場や高所作業車への依存を抑えながら内部鉄筋の腐食状態を非破壊で計測・診断する工法の実証を行う。2026年度に群馬県内の橋梁等で現場実証を実施する予定としている。

橋梁、トンネル、擁壁などの社会インフラでは老朽化が進む一方、点検や維持管理を担う人材の不足が全国的な課題となっている。
群馬県においても山間部を中心に多くの橋梁やトンネルを抱えており、寒暖差や冬季の凍結防止剤の散布などによる鉄筋腐食、コンクリート劣化への対応が求められている。限られた予算と人員の中で広範囲に点在するインフラを効率的に維持管理する必要がある一方、現在の点検は目視や打音が中心で内部鉄筋の腐食位置や腐食程度を定量的に把握することは容易ではない。また、高所の詳細調査には足場や高所作業車が必要となり、費用、作業期間、安全性の面でも課題を抱えている。
加振レーダと移動ロボット・ドローンを融合
国立大学法人群馬大学が開発する「加振レーダ」技術は、電磁石によってコンクリート内部の鉄筋を微小に振動させ、その変位をドップラーレーダで非接触計測する技術である。
本事業では、この加振レーダ装置を株式会社アイ・ロボティクスの壁面移動ロボット/ドローンに搭載し、構造物表面に安定して接触させながら移動・計測するシステムを開発する。取得したデータから内部鉄筋の腐食状態を可視化する「鉄筋健全度マップ」を生成し、点検や補修の優先順位を判断するための新たな維持管理手法として実用化を目指す。
2026年度に現場実証を行い全国展開を目指す
2026年度は群馬県内の橋梁等において現場実証を行い、計測精度、移動・接触性能、安全性、作業時間などを検証する。
将来的には、橋梁、擁壁、上下水道施設、高速道路、鉄道、港湾、プラント設備等への展開を進め、群馬県内で確立した運用モデルを、群馬発の次世代インフラメンテナンス技術として全国へ展開することを目指すとしている。
事業概要
- 事業名称:「レーダーでコンクリート内部の劣化を診断!ドローン・ロボットによる新たな点検手法」~壁面移動ロボット/ドローンと加振レーダ技術を用いた高所コンクリート構造物の非破壊腐食診断工法の開発~
- 採択事業:令和8年度ぐんま未来共創トライアル補助金
- 代表事業者:カワナベ工業株式会社
- 参加事業者:国立大学法人群馬大学、株式会社アイ・ロボティクス
- 実証予定地:群馬県内の橋梁等
本記事はカワナベ工業株式会社、国立大学法人群馬大学、株式会社アイ・ロボティクスの発表をもとに作成。詳細は群馬県HP(https://www.pref.gunma.jp/site/houdou/772648.html)に記載されている。
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