IPSEN、低悪性度神経膠腫治療薬オジェンダの製造販売承認を日本で取得
東京都に本社を置くIPSEN株式会社は2026年9月16日、BRAF遺伝子変異又は融合遺伝子を有する低悪性度神経膠腫を効能又は効果とする「オジェンダ®」(一般名:トボラフェニブ)について、厚生労働省より製造販売承認を取得したと発表しました。本剤は週1回経口投与のII型RAF阻害薬であり、BRAF融合遺伝子を有する低悪性度神経膠腫(LGG)に対する分子標的薬として、日本で初めて使用可能となる治療薬です。製品は「オジェンダ錠100mg」と、錠剤の服用が難しい低年齢の患者に向けた「オジェンダドライシロップ300mg」の2剤型が用意されています。
BRAF遺伝子異常を標的とする新たな治療選択肢
低悪性度神経膠腫(LGG)は小児で最も頻度が高い脳腫瘍であり、小児中枢神経系腫瘍の重要なサブタイプの一つです。進行は比較的緩徐ですが、多くの患者が長期的な疾患管理を必要とし、再発や進行により複数回の治療介入を受ける場合があります。特に視神経経路や脳深部に発生した腫瘍では、視機能障害や神経認知機能障害、内分泌異常などが生じ、患者やその家族の生活の質(QOL)に大きな影響を及ぼす可能性があります。
近年の研究では、LGGの多くがMAPKシグナル伝達経路の活性化によって駆動されていることが明らかになっており、なかでもBRAF遺伝子変異や融合遺伝子は主要な発がんドライバーとして重要な治療標的とされています。トボラフェニブは経口投与可能なII型RAF阻害薬で、長い消失半減期を有して週1回投与が可能です。BRAF V600変異だけでなく、BRAF融合や再構成を含むRAF経路異常に対しても活性を示し、中枢神経系への移行性を有しています。
承認にあたり、IPSEN株式会社代表取締役社長の野田 征吾氏は、オジェンダ®の承認取得を喜ぶとともに「今後も、患者さんとそのご家族のアンメットニーズに応える革新的な医薬品の提供を通じて、希少がんおよび小児がん領域におけるアンメットメディカルニーズの解決に取り組んでまいります」とコメントしています。
第II相FIREFLY-1試験における有効性と安全性
今回の製造販売承認は、BRAF遺伝子変異又は融合遺伝子を有する再発又は難治性低悪性度神経膠腫患者を対象とした国際共同多施設試験である第II相FIREFLY-1試験の結果に基づいています。
最新解析によると、独立中央判定によるRANO-HGG基準に基づく客観的奏効率(ORR)は71%を示しました。また、RAPNO-LGG基準によるORRは53%で、奏効期間(DoR)の中央値は19.7か月でした。
主な治療関連有害事象としては、毛髪色変化、血中クレアチンホスホキナーゼ増加、成長遅延、貧血などが報告されています。
IPSEN株式会社の概要とお問い合わせ窓口
IPSENは、オンコロジー、希少疾患、神経科学の3つの治療領域において医薬品を提供するグローバル・バイオ医薬品企業です。約100年にわたる開発経験と、米国、フランス、英国のグローバル拠点を軸に、40か国以上に展開するチームとパートナーシップを通じて100か国以上の患者に医薬品を届けています。同社はパリ(ユーロネクスト:IPN)に上場しており、米国ではスポンサー付きレベルI米国預託証券(ADR:IPSEY)を通じて上場しています。
- お問い合わせ先:03-6205-3483(メディカルインフォメーション , 受付時間:平日 9:00~17:00)
- 公式サイト:ipsen.com
本記事はIPSEN株式会社の発表をもとに作成しています。
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