能美防災、足立区の小学校で避難所開設支援アプリN-HOPSを活用した訓練を実施
能美防災株式会社は2026年8月30日、東京都足立区の足立区立北三谷小学校において、避難所開設支援アプリ「N-HOPS(エヌ・ホップス)」を活用した避難所開設訓練を実施した。訓練には同校の避難所運営組織から30名が参加し、アプリに表示される写真や図面、行動手順を確認しながら実際の校内を移動し、施設の安全確認から受付設置までの一連の流れを実践した。災害時を想定し、端末に支援ガイドを事前保存した状態での運用確認も行われた。
現場の運用に即した行動手順をアプリ上に整理
災害発生時において、避難所開設を担う人が十分な経験を持っているとは限らず、通信環境や利用可能な端末も平時と同様に確保できるとは限らない。能美防災では、避難所開設訓練ではマニュアルの内容確認にとどまらず、実際の施設でその場にいる人が必要な行動を取れる状態になっているかの確認が重要であるとしている。
今回のトライアルに向けては、足立区および北三谷小学校避難所運営組織と事前に施設の状況、資機材の配置、避難所運営組織の役割分担などを確認し、実際の運用に沿った形でN-HOPS上の行動手順を整理した。既存マニュアルのデジタル化にとどまらず、避難所ごとの施設・設備・役割分担を踏まえ、現場で誰が何をどの順番で行うかを具体化することに重点が置かれた。
施設内での実践と通信遮断を想定した運用の検証



参加者は避難所運営組織の役割分担に沿って、施設の安全確認、避難スペースの確認、トイレや受付の準備などを進めた。N-HOPSに表示された写真や図面、作業内容を確認しながら校内を移動し、複数の担当者が並行して進める作業や情報の引き継ぎを含め、一連の開設業務を体験した。
また、災害時に通常の通信環境が利用できない事態を想定し、N-HOPSの支援ガイドをあらかじめ端末へ保存し、通信環境に接続しない状態での訓練も実施された。これにより、通信に接続しない状態でも事前に保存した支援ガイドを確認しながら必要な作業を進められることが確認された。なお、オフライン時には完了した作業のリアルタイム共有など、一部利用できない機能がある。
訓練後に参加者30名を対象に実施されたアンケートでは、「N-HOPSを利用して、避難所開設の一連の流れをイメージできたか」という質問に対して、90%(27名)が「とてもイメージできた」「ある程度イメージできた」と回答した。また、「実際の災害時にもN-HOPSを利用したいと思うか」という質問には約86%(25名)が「そう思う」「ある程度そう思う」と答えている。

利用して特に役立った点としては、以下の項目が挙げられた。
- 「次に行う作業が分かりやすかった」:約69%(20名)
- 「各作業で何をすればよいか分かりやすかった」:約62%(18名)
- 「画面を見ながら、自分で作業を進められた」:約55%(16名)
能美防災は、実災害時を直接検証したものではないとしつつも、参加者が避難所開設の流れを具体的にイメージする一助になったとしている。さらに、実際の施設で行動したことで、資機材の配置や作業分担など平時には気づきにくい運営上の論点も確認できたとし、今後も訓練を通じて得られた気づきを行動手順やサービスへ反映していく方針を示している。

避難所開設支援アプリ「N-HOPS」の概要
N-HOPSは、自治体が保有する避難所運営マニュアルや施設図面、資機材の保管場所などの情報を現場の行動順に沿って整理し、スマートフォンやタブレットから確認できるWebアプリである。
写真や図面を確認しながら作業を進めて完了記録を残せるほか、現地到着、開設準備中、受け入れ開始といった各避難所からの報告状況を災害対策本部側で確認する機能を備えている。データを事前に端末へ保存することでオフライン環境での閲覧に対応するほか、行動手順をPDF形式で出力して紙媒体と併用することも可能となっている。
本記事は能美防災株式会社の発表をもとに作成。
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