諏訪酒造が2026年6月期に営業・経常黒字へ転換、7期続いた赤字から再生
鳥取県智頭町で1859年から酒造りを続ける諏訪酒造株式会社は、2026年6月期において営業黒字および経常黒字へ転換しました。同社では7期にわたり赤字が続いていましたが、2025年4月の新経営体制発足以降、働く環境の整備や商品価値の見直しなどを進めてきました。今期の結果を再建の新たなスタート地点と位置づけ、安定した利益の創出と財務基盤の改善を目指すとしています。

2025年4月に発足した新経営体制のもと、同社が最初に着手したのは蔵内のトイレ改修でした。長年使われていた和式から最新の洋式トイレへと改修し、従業員が誇りを持って働ける環境を整えるとともに、直売所「梶屋」を訪れる来店客を迎える空間の整備を行いました。




長期にわたる赤字経営の中で生じていた意識を変えるため、売上や利益の追求だけでなく、働く場所や顧客を迎える環境を整えることから再生への取り組みを始めました。
高付加価値化と地域の物語を生かした商品展開
2026年6月期には、商品の価値を見直す取り組みも相次いで実施しました。2025年8月には、2012年醸造の純米吟醸を10年以上熟成させた「諏訪泉 満天星 Vintage 2012」を発売し、高付加価値商品としての展開を開始しました。

同年秋には甘口商品の「八上姫Sweet」「八上姫ロゼ」のボトルとラベルを刷新したほか、2026年1月には智頭町「二十歳のつどい」に合わせた取り組みも行いました。さらに2026年6月には鳥取神話の大国主命をモチーフにした「大国主命Sweet」を発売し、「八上姫ロゼ」と組み合わせた“縁結びセット”の展開など、歴史や文化を取り入れた商品づくりを進めています。
職人の復帰と全量手造りによる体制づくり
再生の過程では、一度蔵を離れていた杜氏の白間恭司が復帰しました。また、前代表の東田雅彦が取締役COOとして経営と現場を支えるなど、従来の経験や技術と新しい経営方針を融合させた体制を構築しています。
2025年度には、杜氏と蔵人たちにより124石をすべて手造りで仕込みました。代表取締役CEOの菅原健司は「今回の黒字化をゴールではなく新しいスタートと捉え、黒字経営がしっかり定着するまでは、私自身も役員報酬を受け取らず、皆と一緒にこの蔵の未来をつくっていきます」とコメントしています。
諏訪酒造株式会社の概要

- 会社名:諏訪酒造株式会社
- 所在地:鳥取県八頭郡智頭町智頭451
- 創業:1859年(安政六年)
- 代表者:代表取締役CEO 菅原健司
- 事業内容:日本酒の製造・販売
- 企業理念:「幸せな食卓を創る」
- 代表銘柄:「諏訪泉」「鵬」「満天星」
- 公式サイト:https://suwaizumi.jp/
直売所「梶屋」の営業時間は午前10時から午後5時まで(10月から3月末までは午後4時30分まで)で、年末年始を除き無休となっています。
本記事は諏訪酒造株式会社の発表をもとに作成しました。
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