サイカルトラスト、AIとブロックチェーンによる決済安全化技術で特許査定を受領
サイカルトラスト株式会社は、AIエージェントによるステーブルコインやトークン化預金などの決済において安全性を担保する「鑑定証明システム(R)」に関する特許について、2026年8月4日に特許庁より特許査定を受領し権利化が確定したと発表した。特許番号は付番後に別途公表される予定。

AIエージェントとオンチェーン決済における安全性の課題
ネット通販などの電子商取引では、決済代行会社が悪質な事業者の排除や不正利用検知、誤決済の取り消し(チャージバック)などを担うことで安全性を支えている。こうした安全機能は、管理主体が存在することと決済を後から取り消せることの2点を前提に成り立っている。
一方、AIエージェントが自律的に商品を比較・選択し、ブロックチェーン上でステーブルコイン等を用いて支払う決済では、管理主体が存在せず、確定した送金は原則として取り消しができない。そのため、偽サイトへの誤発注やプロンプトインジェクションによる攻撃、正規AIを装うなりすましなどが発生した場合、決済確定後に取り消すことが困難になるという課題がある。
複数AIの合議制で審査を行う特許技術
今回権利化が確定した特許技術(特願2025-167191)は、管理主体が不在となるオンチェーン決済領域において、従来の決済代行会社が担ってきた安全機能を代替するシステム技術である。


本技術の中核は、単一のAIに依存せず、異なる主体が運営する複数のAIを「AIオーケストレーション」で統合し、合議制(クロスチェック)で審査を行う点にある。各AIが独立した視点から正当性を多角的に評価することで、単一AIのハルシネーション(誤情報生成)の影響を抑え、基準を満たした事業者や商品のみを通過させる。
また、支払いや発注の際も確定前に複数AIによる合議で審査し、誤発注や攻撃の疑いがある要求は確定前に停止する。審査に落ちた場合は不足情報を提示して再審査を行う仕組みを備えるほか、審査を通過した決済記録は改ざんが困難なBaaS(Blockchain as a Service)へ記録され、事後の客観的検証を可能にする。

既存決済フローとの連携と今後の展開

サイカルトラスト代表取締役の須江剛氏は、本特許技術について、決済代行会社やEC事業者、ステーブルコイン発行者などの既存の決済フローに組み込める設計としていると説明。安心安全な商取引を実現する「オンチェーン金融導入システム」の提供を予定している。
同社は「鑑定証明システム(R)」特許群について、今後も技術の進化に応じて分割出願などを継続し、権利範囲の更新を進める方針を示している。
- 所在地:東京都渋谷区
- 代表者:代表取締役 須江剛
- 事業内容:「AIオーケストレーション」と「ブロックチェーン」を用いた「鑑定証明システム(R)」の開発
- 公式サイト:https://cycaltrust.co.jp/

本記事はサイカルトラスト株式会社の発表をもとに作成。
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