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アスタミューゼ、AI駆動型タンパク質設計の技術動向レポートを発表

アスタミューゼ株式会社は、AI駆動型タンパク質設計に関する技術領域において、所有するイノベーションデータベースを網羅的に分析した動向レポートをまとめました。

レポートでは、特許、論文、グラント(競争的研究資金)における関連動向や、スタートアップを中心とする関連企業の事例を分析しています。

AI駆動型タンパク質設計の概要と背景

本レポートにおけるAI駆動型タンパク質設計とは、酵素や抗体、受容体などの複雑な立体構造をもつタンパク質からペプチドまでを対象に、深層学習などの人工知能(Artificial Intelligence:AI)を用いて狙った機能をもつ分子を計算機上で設計する技術体系を指します。設計対象には、新しいアミノ酸配列や立体構造をゼロから作りだすデノボ設計に加え、天然タンパク質への変異導入や化学修飾による機能改変も含みます。

従来のタンパク質設計では指向性進化やファージディスプレイ法といった実験的手法が用いられてきましたが、探索範囲の制限や計算コスト、実験の労力といった課題を抱えていました。近年のAI駆動型タンパク質設計はこれらの課題を軽減し、機能性タンパク質の開発を高速かつ高精度に実現することが試みられています。2024年のノーベル化学賞では、構造予測AI「AlphaFold2」を開発したJohn Jumper氏とDemis Hassabis氏、計算機によるタンパク質設計で成果をあげたDavid Baker氏に授与されました。また、計算機設計されたタンパク質ナノ粒子を用いた新型コロナウイルスワクチン「SKYCovione」が韓国や英国で承認され、2023年には世界保健機関(World Health Organization:WHO)の緊急使用リストに掲載されています。

特許分析に見る注目キーワードの推移

アスタミューゼの特許データベースから抽出した特許母集団1,224件を対象にキーワード分析を実施したところ、2016年から2025年までの出現回数と2021年以降の比率を示すGrowthが1となるキーワードが見られ、出現が近年に集中していることが示されました。

主な注目キーワードは以下の通りです。

  • タンパク質言語モデル(protein-language-model):大量のアミノ酸配列の規則性や進化情報を深層学習するモデル
  • ProteinMPNN(抽出語:proteinmpnn):ワシントン大学のDavid Baker教授らの研究室が開発した、立体構造からアミノ酸配列を設計するモデル
  • RFdiffusion(抽出語:rfdiffusion):ワシントン大学のDavid Baker教授らの研究室などが開発した、拡散モデルを用いて立体構造をデノボ設計するオープンソースのAIシステム
  • AlphaFold(抽出語:alphafold):Google DeepMindが開発した立体構造予測AIシステム
  • ESMFold(抽出語:esmfold):Metaが開発した、単一配列から立体構造を高速に予測するAIモデル

特許出願事例と国別の動向

レポートでは具体的な特許事例として、中国のLANZHOU VETERINARY RESEARCH INSTITUTE, CHINESE ACADEMY OF AGRICULTURAL SCIENCES (CHINA CENTER FOR ANIMAL HEALTH AND EPIDEMIOLOGY, LANZHOU BRANCH)による「人工的に合成されたポリペプチドP2およびヘルペスウイルス感染に対するその応用」(公報番号:CN120349386A、公開年:2025年)を取り上げています。本特許ではRFdiffusionを用いて人工ポリペプチドP2を取得し、火星狂犬病ウイルス(Pseudorabies Virus:PRV)の感染阻害を報告しています。

また、中国のSHENZHEN RUIGENG BIOMEDICAL TECHNOLOGY CO., LTD.とBEIJING SPORT UNIVERSITYによる「微小筋萎縮性疾患耐性関連タンパク質Utro-H1/H3、コード遺伝子、組換えベクター、組換えウイルス、製品および用途」(公報番号:CN120988093A、公開年:2025年)では、AlphaFold 3を用いてミニユートロフィン(Utro-H1/H3)を創出した事例が紹介されています。

国別の特許出願件数では中国の伸びが著しく、ZHEJIANG UNIVERSITY OF TECHNOLOGYやJIANGNAN UNIVERSITYといった大学を中心に深層学習を用いた構造予測や酵素改変の出願が見られるほか、アメリカや欧州からの出願も複数確認されています。

  • 本社:東京都千代田区
  • 代表取締役社長:永井歩
  • 著者:アスタミューゼ株式会社 平澤 輝一 博士(理学)
  • コーポレートサイト:https://www.astamuse.co.jp/
  • お問合せフォーム:https://www.astamuse.co.jp/contact/

本記事はアスタミューゼ株式会社の発表をもとに作成しました。

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