医学書院やNTTなど 医療AI活用の共同実証を2026年11月開始へ
株式会社医学書院、NTT株式会社、NTTドコモビジネス株式会社の3社は、医療現場で安心してAIを活用できる環境の実現をめざし、2026年11月からUbie株式会社とともに医療AI情報プラットフォームを活用した共同実証を開始します。実証実験はNTT東日本関東病院をフィールドとして実施されます。医学書院、NTT、NTTドコモビジネスが共同開発したプラットフォームと、Ubieの医療機関向け生成AIサービス「ユビー生成AI」を連携させ、有用性と安全性を検証する計画です。
医療AIの安全性と信頼性向上をめざす背景
医療現場で生成AIを活用する上では、患者情報の適切な取り扱いや運用管理に加え、生成AIが事実と異なる情報を出すハルシネーションによる誤診リスクへの対策など、回答の根拠を確認できる安全な環境作りが求められています。
こうした課題に対応するため、東京都文京区に本社を置く医学書院(代表取締役社長:金原 俊)、東京都千代田区のNTT(代表取締役社長:島田 明)、同じく東京都千代田区のNTTドコモビジネス(代表取締役社長:小島 克重)は、2026年4月に「医療AI情報プラットフォーム」の共同開発を始めました。このプラットフォームは、信頼性の高い医学・医療情報とセキュリティ技術、検索拡張生成(RAG)などの技術を組み合わせたものです。
今回の実証では、この基盤と東京都中央区に本社を置くUbie(共同代表取締役:阿部 吉倫・久保 恒太)の「ユビー生成AI」を連携させ、信頼性の高い医療情報を医療従事者に届ける仕組みの検証を行います。
NTT東日本関東病院での実証と主な検証項目
共同実証は、東京都品川区にあるNTT東日本関東病院(院長:大江 隆史)の医療従事者が参加して行われます。医療従事者が「ユビー生成AI」に質問すると、医療AI情報プラットフォームが医学書院の著作権処理された医学・医療情報を検索・参照し、NTTの研究開発知見とNTTドコモビジネスの運用技術によって回答とともに根拠情報や出典を提示します。
これにより、医療従事者は電子カルテ端末から直接質問を行い、院外サービスに切り替えることなく情報を確認できるようになります。実証では実際の診療業務で利用しながら、情報収集の効率化や回答・根拠情報の有用性と安全性を検証します。
主な検証項目は以下の通りです。
- 医学・医療情報の検索・確認に要する時間の短縮
- 回答内容および根拠情報の有用性・信頼性
- 診療業務で利用する際の操作性・利便性
- 医療現場への導入・運用に必要な機能と条件
- 医療AIの社会実装に向けた制度・運用上の課題
共同実証における各社の役割
参画する各組織は、それぞれの強みを活かして以下の役割を担います。
- 株式会社医学書院:第一線の著者による執筆と、長年培った編集ノウハウにより蓄積された、科学的根拠に基づく信頼性の高い医学・医療情報を提供
- NTT株式会社:医療制度や医療現場の実態を踏まえ、研究開発の知見を活かしながら、NTTグループ全体で医療分野におけるAI活用の社会実装を推進
- NTTドコモビジネス株式会社:医療AI情報プラットフォームの構築・運用、生成AIサービスとのAPI連携、ネットワークやクラウドを含む医療現場への実装環境の構築、および共同実証の設計・評価
- Ubie株式会社:医療機関向け生成AIサービス「ユビー生成AI」の提供、および医療従事者が利用するインターフェース・ユーザー体験の設計、実証を通じた評価・改善
- NTT東日本関東病院:実証フィールドの提供、医療従事者による実利用を通じた有用性・実用性などの評価、および医療現場の知見に基づくフィードバック
今後の展開とサービス拡大に向けた展望
実証で得られた知見をもとに医療AI情報プラットフォームの機能や運用を高度化し、他の医療機関や医療AIサービスへの展開が進められる予定です。医療機関ごとのシステム環境やセキュリティ要件に応じ、クラウド、閉域ネットワーク、オンプレミスなど多様な提供形態の実現を図るとしています。
さらに、NTTの大規模言語モデル「tsuzumi」を含むAI基盤モデルの活用を進め、高い信頼性が求められる環境に対応したプラットフォームの実現をめざします。将来的には電子カルテや各種医療機関向けサービスとの連携も視野に入れ、情報検索にとどまらない医療従事者の業務支援を推進し、負担軽減や医療の質・安全性の向上に貢献する方針です。
本記事は株式会社医学書院、NTT株式会社、NTTドコモビジネス株式会社の発表をもとに作成されています。
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