RAN、パーム油大手ファースト・リソーシズによる出所偽装の疑惑を発表
環境NGOのレインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN)は30日、パーム油大手ファースト・リソーシズに関する調査結果を発表しました。調査では、同社がパーム油の出所を隠して世界のサプライチェーンに参入していたという疑惑や、インドネシア東カリマンタン州で森林破壊を起こしている企業グループとの商業関係について誤解を招く説明を行っていた可能性が指摘されています。

ファースト・リソーシズ(SGX: EB5)は2024年にシンガポール証券取引所へ提出した声明で、森林破壊企業グループである「KAS グループ」との商業関係を全面的に否定していました。しかしRANの調査結果によると、同社のサプライチェーンはKAS グループおよび、同様にファンギオノ一族のコントロール下にあるパーム油生産業者のFAP アグリ(IDX:FAPA)と完全に統合されているように見え、取引所への声明が誤解を招くものだったことが示唆されています。




RANの調査では、近年数千ヘクタールの熱帯林破壊に関与した企業からのパーム油が共通の施設を使って輸送、貯蔵、船積みされ、各過程で混合された上で、「森林破壊禁止、泥炭地開発禁止、搾取禁止(NDPE)」方針の公約に準拠するパーム油として国際市場に流通していると考えられています。今回の発表は、環境NGO「環境調査エージェンシー(EIA)」とカオエム・テラパック(Kaoem Telapak)による同様の調査結果と同時に公表されました。
現地調査や衛星画像分析による主な指摘
RANが実施した調査における主な内容は次の通りです。
- 現地調査:ファースト・リソーシズ、FAP アグリ、KAS グループのサプライチェーンが統合され、インフラを共有して連携した企業グループとして機能している証拠が得られた
- 内部会計文書:上記3グループの企業が「関連当事者」として記録されており、取引所や投資家への説明と矛盾している
- 現地調査:KAS グループ生産のパーム原油がファースト・リソーシズの積み出し施設を経由して輸送され、製油所へ運ばれる前にファースト・リソーシズおよびFAP アグリの原油と混合されているとみられる
- 衛星画像分析:ファンギオノがコントロールする事業管理地で、2021年1月から2026年5月までに9,800ヘクタール以上の森林が皆伐された(絶滅危惧種イースタン・グレイ・ギボンの生息地を含む)
- 金融調査:三井住友フィナンシャルグループ(SMBC)、ユナイテッド・オーバーシーズ銀行(UOB)、DBS銀行などの大手銀行を含め、2021年1月から2026年9月までにファンギオノ・グループ傘下企業へ約12億米ドルの融資が特定された
調達停止の申し立てと関係各社の反応
RANは、ファンギオノ・グループと関連がある大手パーム油企業やグローバル消費財企業に対し、調査の実施と同グループ全体からの調達停止を求める苦情を正式に申し立てました。
RANシニア・コーポレート・エンゲージメント・スペシャリストのピート・クーパー氏は、サプライヤーが出所を隠している状況では買い手企業が公約を信用できないとし、信頼回復にはファンギオノ・グループが森林破壊と隠蔽を停止したことを独立検証で確認する必要があると訴えています。
事前に行われた事実確認に対し、ファースト・リソーシズとFAP アグリは主な申し立てについて異議を唱えており、KAS グループからの回答はなかったとしています。
本記事はレインフォレスト・アクション・ネットワークの発表をもとに作成しました。
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