オンセミ、統合電圧レギュレータのフェリックを買収へ 最大7億7500万ドル規模
米半導体大手のオンセミ(onsemi)は、統合電圧レギュレータ(IVR)技術を手がける米フェリック(Ferric, Inc.)を買収する契約を締結しました。買収対価は現金の6億ドルに加え、売上高マイルストーンの達成に応じた最大1億7,500万ドルの条件付き対価となっています。
この買収に伴い、オンセミは2030年AIデータセンター売上目標を5億ドル引き上げて30億ドル超に増額し、その後もIVR事業が複数年にわたって加速的に成長すると見込んでいます。
買収の背景とフェリックの技術力
AIの普及に伴いプロセッサーの消費電力が増加する中、半導体業界では電力損失の低減や電力密度の向上を目的に、電圧レギュレーションをプロセッサーに近づける動きが進んでいます。IVRは、電力変換機能をプロセッサーのパッケージまたはサブストレート内に直接統合する技術です。
フェリックは、電源コントローラー、FET、インダクター、キャパシターをコンパクトなワンパッケージに集積するIVR技術を有しています。従来のディスクリート型電圧レギュレータソリューションと比較して基板面積を50~70%削減しながら、プロセッサーの近くにより多くの電力を供給可能です。同社は40件以上の特許ポートフォリオを持ち、統合電圧レギュレーションおよび先端磁性材料分野において10年以上の専門技術を蓄積しています。
経営陣が示す今後の展望
オンセミの社長兼CEOであるハッサーン・エルコーリー(Hassane El-Khoury)氏は、AIの急速な成長によりプロセッサーへの電力供給要件が一変していると指摘した上で、今回の戦略的買収がリーダーとしての地位を強固にし、AIプロセッサーアーキテクチャの進化が続く中での製品採用機会や顧客サポート能力を拡大すると述べています。
また、フェリックの創業者兼CEOであるノア・スターケン(Noah Sturcken)氏は、演算処理が行われる場所により近い位置での電力供給方法を再考する目的で同社を設立したと説明し、オンセミに加わることで技術の普及を加速させ業界の主流にするために必要な事業規模、製造能力、顧客基盤が得られるとの見解を示しています。
契約内容と今後の手続き
契約条件に基づき、オンセミは買収完了時の現金6億ドルに加え、売上高マイルストーン達成に応じた最大1億7,500万ドルの追加現金対価を支払います。買収資金には手元現金が充当されます。
主にニューヨークおよびシリコンバレーに拠点を置くフェリックの従業員約50名がオンセミに加わる予定です。本取引は慣習的な取引完了条件を満たした上で、2026年末までに完了する予定とされています。本格的な事業展開の段階においてオンセミの長期売上高成長および売上総利益率の目標達成に寄与することが期待されている一方、短期的な財務への影響はほとんどないと予測されています。
発表企業について
本買収に関連するオンセミの概要は以下の通りです。
- 社名:オンセミ(onsemi)
- 本社所在地:米国アリゾナ州スコッツデール
- 上場市場:Nasdaq(ティッカーシンボル: ON)
- 構成銘柄:S&P 500®インデックス
- ウェブサイト:www.onsemi.jp
本記事はオンセミの発表をもとに作成しました。
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