宮崎大学やユーグレナなど、ユーグレナ配合飼料で離乳子豚の発育改善の可能性を確認
宮崎大学、株式会社ユーグレナ、あすかアニマルヘルス株式会社の研究グループは、微細藻類ユーグレナを配合した飼料を離乳子豚に給与する試験を実施しました。その結果、離乳子豚の免疫関連指標に好影響をもたらす可能性を確認したと発表しました。あわせて日増体量が高い傾向を示したほか、飼料要求率においても良好な値が得られたとしています。
本研究成果の一部は、日本畜産学会第134回大会において「離乳子豚へのユーグレナ配合飼料の給与による発育及び免疫機能の効果検証」と題して口頭発表されました。
研究の背景と検証内容
畜産業界では、家畜の健康維持と生産性向上を目的に飼料を通じて免疫機能を支える取り組みが進められており、国連食糧農業機関(FAO)も抗菌剤に依存しない飼料戦略の重要性を示しています。これまでの研究ではニワトリに対するユーグレナや貯蔵多糖パラミロンの給与で獲得免疫能が向上する可能性が示されており、今回は将来的な肥育豚への応用を見据えて離乳子豚を対象とした検証が行われました。
試験では、LWD種(ランドレース種、大ヨークシャー種、デュロック種を交配した三元交雑豚)の離乳子豚20頭を各群5頭の4群に分類しました。ユーグレナ粉末無配合飼料の「対照区」、飼料重量に対してユーグレナ粉末を0.01%、0.05%、0.1%配合した「0.01%区」「0.05%区」「0.1%区」を6週間給与し、日増体量、飼料要求率、末梢血リンパ球サブセットを測定して群間比較を実施しました。
日増体量と飼料要求率の測定結果
発育成績の検証において、0.01%区は対照区と比較して、試験開始から3週目まで(p=0.06)および5週目から6週目まで(p=0.08)の期間で日増体量が高い傾向を示しました。
また、試験期間中に毎日測定された飼料摂取量をもとに算定された飼料要求率は、すべてのユーグレナ添加区で対照区を下回る結果となりました。添加区の中では、0.05%区が最も低い値を示しました。
免疫関連指標への影響と今後の展開


血液中の免疫バランスを調べる末梢血リンパ球サブセット解析では、0.01%区において感染細胞などの排除に関わる末梢血中のCD8陽性細胞数が対照区と比較して有意に増加しました(p=0.08)。さらに、免疫反応を促す働きに関わる末梢血中のMHC Class II陽性細胞数についても、対照区と比べて増加傾向が認められました(p=0.1)。
研究グループは、これらの結果から市販飼料へのユーグレナ添加が離乳子豚の発育や飼料効率に好影響をもたらす可能性が示唆されたとしています。今後は離乳子豚に対するパラミロン給与の影響についても研究を進め、畜水産分野におけるユーグレナ由来素材の活用可能性を検証していく方針です。
参画組織の概要
本研究に参画した各組織の概要は以下の通りです。
- 国立大学法人宮崎大学:学長は鮫島 浩。宮崎県宮崎市に拠点を置き、5学部と7大学院研究科を有する総合大学。
- 株式会社ユーグレナ:代表取締役社長は出雲 充。本社は東京都港区。微細藻類ユーグレナの食用屋外大量培養技術を有し、ヘルスケアやバイオ燃料のほかサステナブルアグリテック領域を展開。ユーグレナ配合飼料が離乳子豚に与える影響に関する研究成果の公表は今回が初。
- あすかアニマルヘルス株式会社:代表取締役社長は山口 文豊。本社は東京都港区。動物用医薬品事業と動物用飼料添加物事業を展開。
本記事は宮崎大学、株式会社ユーグレナ、あすかアニマルヘルス株式会社の発表をもとに作成しました。
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