日立ハイテクが細胞大量自動培養装置iACE3を10月2日に発売へ
株式会社日立ハイテクは、iPS細胞をはじめとした細胞を大量かつ自動で培養する装置「iACE3」を10月2日に販売開始します。本製品は従来機種「iACE2」の後継モデルであり、新たに搭載したリモート監視・制御機能によって運用負荷を軽減するほか、装置の小型化により設置面積を従来機種比42%削減しました。細胞培養工程の自動化と省スペース化を進めることで、再生医療に用いる細胞製造の品質安定化や安定供給、運用コスト低減を支援します。
遠隔監視機能と省スペース設計で運用負担を軽減
「iACE3」は、クリーンルーム外から最大6台の装置についてエラー情報や細胞観察像などの培養状況を確認し、運転に関する所定の操作を遠隔で実行できるリモート監視・制御機能(オプション機能)を新たに搭載しました。これにより、クリーンルームへの入退室準備や確認作業の負担を減らし、運用の効率化を図ります。
また、従来機の制御ユニット機能を試薬ユニットに統合し、恒温ユニット内の観察機構構造を見直したことで、設置面積を従来機種比42%削減しました。クリーンルーム内の限られたスペースを有効活用できるだけでなく、同一スペース内への複数台設置も可能となります。なお、本製品はクリーンルームの環境Grade C(ISO Class 8:粒径0.5マイクロメートル以上の粒子が1立方メートルあたり3,520,000個以下に管理された環境)への設置に対応しています。
培養工程の自動化により安定した大量培養を実現
本製品は、従来機と同様に培養面積512 cm²の大量培養容器を最大10個搭載でき、効率的な大量細胞培養を支援します。培養工程を自動化することで手作業への依存を減らし、プロセスの再現性向上に貢献します。外部環境からの汚染リスクを低減するため、完全閉鎖系の消耗品を採用しています。なお、本製品は医薬品医療機器等法が定める医療機器ではありません。
実績をもとに幅広い再生医療等製品の製造へ展開
株式会社日立製作所は2015年度から京都大学および住友ファーマ株式会社と連携し、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の支援のもとでiPS細胞を用いたパーキンソン病治療の実用化に向けた細胞大量自動培養技術の開発に取り組みました。その成果を基に2019年に製品化された「iACE2」は、住友化学株式会社のグループ企業である住友ファーマ株式会社、株式会社RACTHERA、S-RACMO株式会社において製造・販売される、iPS細胞由来の再生医療等製品として世界初の製品である「アムシェプリ®」の製造工程の一部に採用されています。
「iACE3」は、これらの製造現場で得られた知見や商用製造に向けた顧客要求を踏まえて開発された後継機種であり、日立ハイテクは幅広い再生医療等製品の開発・製造に対応する汎用装置として展開する方針です。
本製品は、2026年10月7日(水)~9日(金)にパシフィコ横浜で開催される「再生医療JAPAN 2026」において、実機およびパネル展示が行われる予定です。
株式会社日立ハイテク(2026年3月期日立ハイテクグループ連結売上収益は8,217億円)は、本製品をバイオ医薬品製造の高度化を支援する「HMAX Industry for Biopharma」を支えるデジタライズドアセットとして展開し、トータルソリューションの提供を進めていきます。
本記事は株式会社日立ハイテクの発表をもとに作成されています。
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