ムーンショット金井プロジェクトが脳波とAI解析を学ぶ無料動画教材を公開
内閣府のムーンショット型研究開発事業において、ムーンショット目標1「身体的能力と知覚能力の拡張による身体の制約からの解放」の研究開発プロジェクト(ムーンショット金井プロジェクト)は、脳波の計測からAIによる解析・評価までを学ぶ動画教材を制作しました。日本臨床神経生理学会の協力・監修のもと制作されたもので、教育シリーズ「TNI Academy」の第1弾としてYouTubeで無料公開されています。初学者である大学生や異分野の研究者、企業の開発者などを対象とし、まずは基礎を扱う3モジュールから公開が始まりました。

脳波の計測からAI解析までを網羅する全7モジュール
「TNI Academy」は、ニューロテクノロジーの研究・開発に必要な知識と技術を学ぶための教育シリーズです。今回公開された第1弾「EEG × AI」は、頭皮上から計測する脳波(EEG)を対象とした全7モジュールの教材で構成されています。
動画はYouTubeで無料公開され、日本語に加えて英語の字幕・音声にも対応しています。
第1弾として基礎とノイズ対策を扱う3モジュールを公開
今回公開されたのは、以下の3モジュールです。
- モジュール1:脳波の基礎(脳波が生じる仕組みと、脳波からわかることの解説)
- モジュール2:脳波の計測方法(電極の配置や機器の準備など、計測手順の紹介)
- モジュール3:ノイズの見分け方(まばたきや筋肉の活動が波形に現れる様子、ノイズの原因と低減方法の解説)
頭皮上で計測する脳波データには、まばたきや筋肉の活動、周囲の電気機器などによるノイズが混ざるため、研究開発ではAIの使い方に加えて脳波の性質や計測方法を理解することが求められます。
今後公開される内容と実習支援
残りの4モジュールでは、脳波データを解析向けに整える「前処理」や波形の特徴の数値化、AIの学習用データ作成、AIによる解析・評価を扱います。学習者が自分で解析を試せるよう、実習用のコードとデータも公開される予定です。
今後は、脳に機器を埋め込むタイプのブレイン・マシン・インターフェース(BMI)の医療応用や、脳刺激技術を用いる際の倫理などにもテーマを広げる方針です。
プロジェクトマネージャーを務める金井良太氏は、これまでにガイドブックやエビデンスブックで技術の現状や科学的根拠を整理してきたことに触れ、今回の教材を通じて脳波の計測やデータ活用の知識を学び、さまざまな分野の人々がニューロテクノロジーの研究・開発に取り組むきっかけとなることを願っているとコメントしています。
制作体制
- プロジェクトマネージャー:金井良太
- 代表機関:株式会社国際電気通信基礎技術研究所(ATR)
- 研究開発課題名:「Trusted BMIを実現する社会基盤整備」(課題推進者:武見充晃、分担機関:広島大学)
- 制作協力・監修:一般社団法人 日本臨床神経生理学会
本記事は株式会社国際電気通信基礎技術研究所(ATR)、株式会社アラヤ、一般社団法人 日本臨床神経生理学会、国立大学法人 広島大学の発表をもとに作成しています。
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