スペースデータ、PLATEAU活用した交通シミュレーションを開発
株式会社スペースデータは、国土交通省の3D都市モデル「PLATEAU」で再現した街並みに道路網と交通の流れを重ね、道路網全体の交通を計算して交通計画の検討を支える交通シミュレーションを開発しました。道路網を区間ごとに分けて交通の流れを計算し、工事や車線規制などの影響が周囲へどう広がるかを、平均通過時間や平均速度、最大渋滞長などの数値と3Dで示します。一例として都市部の高速道路のジャンクションにおける車線規制時の渋滞の広がりを計算し、規制の有無や交通量の違いによる影響の比較を行いました。
開発の背景と目的
道路交通は網の目のようにつながっており、一か所で工事や事故が発生すると、その影響は合流部や手前の区間、周辺道路へと波及します。国土交通省は道路移動時間の約4割が渋滞で失われているとして渋滞対策の検討を進めていますが、局所的な出来事の影響範囲を数値や文字だけで伝えることには難しさがありました。

こうした状況を受け、スペースデータは街並みと道路網、交通の流れを一つの仮想空間で再現し、全体の流れと局所的な影響を結びつけて計算および比較ができるシミュレーションを開発しました。

交通シミュレーションの構成と機能

本シミュレーションは「都市全体(マクロ)」と「局所(ミクロ)」の視点を一つの仮想空間で統合しており、現在は都市部の高速道路のジャンクションとその周辺の道路網を対象としています。
都市全体の視点では、3D都市モデル「PLATEAU」で再現した街並みに本線やランプ、周辺道路を含む道路網を区間ごとに重ねて表示します。高架を半透明にして下層の道路状況を確認することも可能です。道路網は向きのある19の区間に分けられ、大型車の影響を乗用車に換算したうえで、夕方の1時間に流入する約6,400台の車の動きを1秒足らずで計算します。渋滞区間の色分け表示や各種指標の比較が行え、結果はCSVやJSON形式で書き出せます。
局所の視点では、ジャンクションの合流部で車線規制を行った際の影響を検証できます。既定の条件(夕方の1時間、大型車割合15%、合流部の3車線のうち1車線を30分間規制)では、平均通過時間は1.5分から2.5分に延び、平均速度は時速49kmから30kmに低下、最大渋滞長は0.04kmから約0.6kmに伸びる結果となりました。流入交通量を1.4倍にした場合、規制時の平均通過時間は5.8分、平均速度は時速13km、最大渋滞長は約0.8kmに達します。なお、道路網は実際の道路をもとにした概略であり、交通量などの数値は仮定の値です。
宇宙AIプラットフォーム「SpaceBrain」での展開
本機能は、スペースデータが開発する宇宙AIプラットフォーム「SpaceBrain」に関連する取り組みの一環です。同プラットフォームは観測データを統合し、デジタルツインと物理シミュレーションによる分析を支える基盤として、宇宙、安全保障、レジリエンスの3領域でソリューションを展開しています。道路・交通の分野においては、すでに「事故現場3D記録・検証」なども発表されています。
同社は今後、街や道路で起きる出来事を3D都市モデル上で計算・再現するシミュレーションをSpaceBrainで広げ、交通計画をはじめとする街づくりの検討を支えていく方針です。
株式会社スペースデータについて
東京都港区に本社を置き、代表取締役社長を佐藤航陽が務める株式会社スペースデータは、空間知能技術を活用したデジタルプラットフォームの構築を進めるテクノロジースタートアップです。
- 社名:株式会社スペースデータ
- 代表:佐藤航陽
- 所在地:東京都港区虎ノ門1-17-1 虎ノ門ヒルズビジネスタワー 15階
- 資本金:15億1300万円
- 事業内容:宇宙開発に関わる投資と研究
- HP:https://spacedata.jp
本記事は株式会社スペースデータの発表をもとに作成されています。
ビジネスパーソンの課題解決と納得感にこだわるDellows News編集部。キャリア論からAI、健康法まで幅広い分野に対応し、複雑なテーマでも平易な言葉で丁寧に解説。読者が「明日から使える」知識やヒントを得られるよう、具体的な事例・データ・専門家の見解を交えて執筆。情報を整理し、納得感ある記事づくりを心がけています。



