Miro調査、AIで個人の生産性向上も成果物の質向上は半数 組織のサイロ化が課題に
AIイノベーションワークスペースを提供するMiroは、AIが従業員個人の生産性とチーム全体のパフォーマンスに及ぼす変化を検証した調査結果を発表した。日本を含む世界12か国の経営層および従業員9,500人以上を対象とした調査によると、回答者の8割がAIにより個人の生産性が向上したと考える一方、アウトプットの質が向上したと回答したのは半数にとどまる実態が明らかになった。運用のサイロ化や組織内の連携不足により、個人の生産性向上が組織全体の成果につながりにくい現状が示されている。


個人の生産性は向上するも成果物の質向上は半数
Miroのレポート「The State of Intelligent Collaboration(インテリジェントコラボレーションの現状)」によると、従業員の8割(日本87%、世界83%)がAIによる個人の生産性向上を実感し、回答者の7割(日本76%、世界73%)がアウトプットのスピード向上を回答している。
一方で、成果物の質の向上につながったと回答した割合は半数(日本57%、世界56%)にとどまった。過半数はAIの導入によって意思決定(日本56%、世界52%)や同僚・チーム間のコラボレーション(日本58%、世界60%)が改善していないと回答し、約10人に1人はAIの利用によって意思決定の質が低下したと答えている。

組織のサイロ化とガバナンスが組織全体への効果を阻害
調査回答者の約7割(日本74%、世界69%)は、AIを活用した業務の大半が共有スペースではなく個人のセッション内で行われていると回答した。また、企業の半数(日本48%、世界49%)が情報のサイロ化に直面しており、従業員がシステムを横断して共通の情報や背景を把握できない状況にある。
リーダー層の4割(日本45%、世界40%)はAIの利用状況を「十分に把握できてない」または「まったく把握できていない」と回答しており、統一されたガバナンス体制が整っていないことから、世界の企業の58%がコンプライアンスやセキュリティ上の懸念を抱えている。
AIスロップによる手直しと従業員の認知的負担
AIによる低品質なアウトプットである「AIスロップ」の増加に伴い、回答者の過半数以上(日本58%、世界55%)が不要な追加レビューや手直しが発生していると回答した。また、従業員の4割(日本41%、世界44%)が、過去1年間で業務中にコンテキストを切り替える頻度が増加したとしている。
職場環境への影響として、60%(日本、世界共通)が職務上の役割分担の曖昧化を懸念し、半数(日本50%、世界47%)が関連する役職の統合を懸念している。さらに、44%(日本、世界共通)がコラボレーション文化の衰退を懸念しており、5人に1人がAIの利用拡大による業務上の孤独を感じるようになったと答えた。
Miroの製品エバンジェリストリーダーであるデイブ・ロス(Dave Ross)は、「本当のボトルネックとなっているのは意思決定とその質です」と指摘し、個人完結型のツールではなくAIと人が協働して意思決定を行える場へのニーズが高まっていると述べている。今回の調査では、企業の意思決定者の3分の2が今後12カ月以内に、ガートナー社が「AIワークハブ」と呼ぶツールの導入を計画していることも明らかになった。
調査および発表元の概要
本調査の概要は以下の通り。
- 調査対象:日本、オーストラリア、ニュージーランド、イギリス、フランス、オランダ、北欧、ドイツ語圏、アメリカ、メキシコ、ブラジル、アルゼンチンの製品開発、IT、運用などの部門に従事する各業界のリーダーと従業員9,500人以上
- 調査手法:オンライン調査
- 調査期間:2026年9月に開始し、2026年10月に完了
Miroの概要は以下の通り。
- 本社:米国カリフォルニア州
- 日本法人所在地:東京都千代田区
- 代表執行役社長:Brigid Archibald
- サービス概要:世界で25万社以上の顧客と1億人以上のユーザーに活用されているAIイノベーションワークスペース
本記事はMiroの発表をもとに作成。
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