Dellows News

サードパーティートラスト、ウェブアプリ時速10万光年を無料公開

株式会社サードパーティートラストの制作レーベル「3PT STUDIO」は2026年11月4日、天の川銀河を自由に飛び回れるウェブアプリ「時速10万光年」を公開した。パソコンやスマートフォンのブラウザからアクセスすることで、登録不要かつ無料で利用できる。欧州宇宙機関(ESA)のガイア衛星などが観測した約194万個の星が、実際の位置や明るさ、色に基づいて3D空間上に再現されている。

観測データに基づくリアルタイムな宇宙の再現

同作品内の宇宙空間は描画された絵ではなく、論文や観測データの数値をもとに宇宙船が移動するたびに計算して画面に映し出される仕組みとなっている。星の色は表面温度から計算した黒体放射の光を色に変換して再現され、ベテルギウスは赤く、リゲルは青白く表示される。明るさは観測された明るさと距離から計算され、塵の濃い方角では2024年に発表された銀河の塵の3次元地図(Edenhofer ほか)をもとに星が暗く赤く沈む演出が施される。地球を離れるにつれて、オリオン座や北斗七星の形が崩れる様子も確認できる。

また、天体は実際の軌道上を動いており、太陽系の惑星はNASAジェット推進研究所(JPL)の天体暦と照合した当日の実際の位置に配置される。地球周辺には公開されている実際の軌道データに基づく人工衛星が周回し、探査機ボイジャー1号の現在位置も再現されている。銀河中心のブラックホール「いて座A*」の周囲ではS2などの星々が観測軌道通りに周回しており、ブラックホールの質量(太陽の約430万倍)には2024年の最新観測値(GRAVITY共同研究)が採用されている。

速度調整やおまかせツアーなどの飛行機能

宇宙船のスピードは音速から7段階で引き上げることが可能となっている。1秒に1光年進む設定では、太陽に最も近い恒星プロキシマ・ケンタウリまで約4秒で到達する。作品名と同じ「時速10万光年」に設定した場合、ブラックホール「いて座A*」まで約16分で到着できる。

初めて利用する人向けに、太陽系の惑星めぐりやとなりの星たち、天の川をめぐるコースなど5つの「おまかせツアー」が用意されている。ツアー中は自動飛行しながら到着した場所をナレーションで案内する。操作に慣れた後は、行き先を指定して自動飛行することや、手動で舵を切って自由に寄り道することもできる。

教育や研究現場での活用とデータ管理

観測が届かない銀河の遠い領域は物理モデルで補い、画面上で「モデル」と明記されている。数値の出典はすべて作品内の「クレジット」に一覧表示されている。開発にはAIによるプログラミング支援が活用されたが、星や銀河の見た目は生成AIで描いたものではなく、観測データと物理モデルの計算によって生成されている。

同アプリは教育や非営利の目的であれば、学校の授業や科学館の展示、夏休みの自由研究などで申請なしに利用できる。広告や課金、会員登録は一切設けられていない。

概要と運営会社

アプリの概要は以下の通り。

  • 名称:時速10万光年(英題 Fly the Milky Way)
  • 公開日:2026年11月4日
  • 料金:無料(広告・課金・会員登録なし)
  • 動作環境:パソコン、スマートフォンのウェブブラウザ(Chrome、Edge、Safari の最新版を推奨)
  • 主なデータ:ESA ガイア衛星(Gaia DR3)ほか
  • URL:https://flymilkyway.com
  • 制作:3PT STUDIO(株式会社サードパーティートラスト)

※本作は ESA の公認を受けたものではない。

開発を手掛けた株式会社サードパーティートラストは、代表取締役を上村謙輔が務め、東京都港区南麻布3-20-1 Daiwa麻布テラス5Fに本社を置く。2011年7月に設立された。

本記事は株式会社サードパーティートラストの発表をもとに作成。

アクセスランキング

今日

1週間