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空研工業とRecursive、OpenAI API活用のAIナレッジ基盤システムを共同開発

空調機器メーカーの空研工業株式会社とAIソリューション開発を手がける株式会社Recursiveは、OpenAI APIを活用した「図面検索」機能を備える「AIナレッジ基盤システム」を共同開発しました。

本システムは、空調機器の設計やメンテナンスに伴う資料検索の業務効率化や、熟練技術者の知見継承を支援することを目的としています。空研工業の福岡工場における試用段階では、従来は数十分から1時間、時には半日を要していた図面探しが平均4.5分で完了し、昨年度実績ベースの試算で年間約90%の工数削減効果が見込まれています。

開発の背景と現場の課題

空研工業は70年以上にわたり、商業施設、病院、工場など大規模建築物の空調を支える冷却塔をはじめとする空調機器の設計・製造を手がけてきました。長年の業務で蓄積された膨大な図面や技術資料は年代や形式が多岐にわたり、紙資料のデジタル化を進めてきたものの、形式や表記にばらつきがありました。そのため、過去に納入した設備のメンテナンスに必要な図面や技術資料を探し出す図面検索に多くの時間を要していました。

また、工場仕切通知書の仕様が外形図や納入仕様書に正しく反映されているかを確認する「図面チェック」では、複数の資料を目視で照合する必要があり、担当者の負荷が大きいことも課題でした。表記ゆれや改訂枝番が存在することから一般的な方法での検索・照合が難しく、最終的に参照する資料や図面の判断は担当者の経験や知見に基づく属人的な対応となっていました。

これに対し、Recursiveはビジネス・ソリューション・アーキテクト(BSA)とフォワード・デプロイド・エンジニア(FDE)からなる「フォワード・デプロイド・チーム」(FDT)を連携させ、空研工業の技術者へのヒアリングを通じて課題を整理し、実資料を用いた検証を重ねてシステムを具体化しました。

AIナレッジ基盤システムの仕組みと特長

本システムは、空研工業が蓄積してきた図面・仕様書・技術資料をAIが読み取り、部品番号や型式、寸法などの情報を抽出・構造化してナレッジデータベースとして再構築します。システムは「AIが探索・比較を支援し、技術者が元資料を確認して最終判断を行う」ことを前提に設計されています。

図面や文書の読み取り、情報の構造化、差分の検出、該当箇所の表示にはOpenAIの最先端モデルを採用しています。Recursiveは、資料の取り込みから情報抽出、部品番号による検索、文書間の比較、結果の表示・出力までを一貫してつなぐウェブアプリとして開発しました。

システムには主に以下の2つの機能が備わっています。

  • 図面検索機能:部品表などのファイルをウェブアプリにアップロードすると、AIが部品番号を抽出・構造化し、70年以上にわたり蓄積された図面データから対応する図面ページを自動検索します。完全一致だけでなく、改訂番号の違いや文字列の近さを考慮した候補も提示します。
  • 図面チェック機能:工場仕切通知書と外形図・納入仕様書をアップロードすると、AIが型式・寸法・注記などを抽出・構造化し、基準資料との比較結果を差分候補として表示します。必須注記やバルーンの抜けなど外形図に固有のチェック項目も実行します。なお、手書き注記やレイアウトの誤りをすべて網羅するものではなく、最終的には技術者が判断します。

今後の展望と導入予定

資料探索の負担が軽減されたことで、空研工業ではベテラン技術者が若手の育成や難易度の高い案件への対応に時間を割けるようになり、属人化しがちだった技能伝承の課題解決につながることが期待されています。

今後は利用検証を進めながら現場からのフィードバックを反映した改善を重ね、年内には空研工業の福岡・千葉工場での本格導入を目指します。また、両社は古い図面や手書き注記の読み取り精度向上、データ整備、セキュリティやアクセス権限の運用検証に取り組み、製造業におけるAI活用のモデルケース構築や日本の製造業全体のDX推進に貢献していくとしています。

発表企業について

空研工業株式会社

  • 本社所在地:福岡市中央区大濠公園2番39号
  • 代表者:楢木 鷹朗(代表取締役社長)
  • 設立:1956年6月
  • 事業内容:空調機器の製造・販売、保守・メンテナンス
  • 従業員数:572名(2026年4月時点)
  • URL:https://www.kuken.com/

株式会社Recursive

  • 本社所在地:東京都渋谷区渋谷一丁目7番1号 渋谷S-6ビル 6階
  • 代表者:ティアゴ・ラマル(共同創業者 兼 代表取締役CEO)、山田 勝俊(共同創業者 兼 代表取締役会長)
  • 設立:2020年8月
  • 事業内容:AIの研究開発およびサステナビリティに関連するソリューションの提供
  • 従業員数:46名(2025年9月末時点)
  • URL:https://recursiveai.co.jp/jp

本記事は空研工業株式会社および株式会社Recursiveの発表をもとに作成しました。

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