奥村組と帝人、木造建築向けの木質ハイブリッド遮音パネルを共同開発
株式会社奥村組と帝人株式会社は、木造建築物向けに高い遮音性能を有する「木質ハイブリッド遮音パネル」を共同開発した(特許出願中)。木造建築物の実大試験体で検証した結果、本パネルを用いた乾式二重床は、設置前と比較して重量床衝撃音遮断性能が22dB(4ランク)向上することを確認したとしている。
開発の背景と木造建築における課題
2010年に施行された「公共建築物等木材利用促進法」は、2021年の改正により対象が一般建築物まで拡大され、建築分野における木材利用のさらなる推進が求められている。
一方で、木造建築物はコンクリート造と比べて剛性や質量が小さいことから床衝撃音が伝わりやすく、遮音性能の確保が課題となっていた。あわせて、多様な工法や構造形式に対応できる効果的な遮音対策の確立も求められていた。
炭素繊維強化複合材料を活用した技術の概要
こうした課題に対し、帝人株式会社が有する炭素繊維強化複合材料と木材を組み合わせた炭素繊維強化集成材「LIVELY WOOD(ライブリーウッド)」の技術を応用してパネルが開発された。

「木質ハイブリッド遮音パネル」は、炭素繊維強化複合材料と木材を一体化することで合板の2倍以上の剛性を有する。質量を増加させて遮音性能を確保する従来の手法とは異なり、パネルの高剛性化によって遮音性能の向上を図る方式を採用した。床に加わる衝撃を広範囲に分散し、振動の増幅を抑制することで、重量床衝撃音の低減に寄与する。
また、本パネルと床構造の上に設置する防振ゴム付き支持脚を組み合わせた「木質ハイブリッド遮音パネル乾式二重床」は、多様な工法や構造形式に対応でき、さまざまな木造建築物に適用可能とされている。

実大試験体による遮音性能の検証結果
遮音性能の検証は、在来工法による木造建築物を株式会社奥村組の技術研究所内に再現した実大試験体を用いて実施された。
人の飛び跳ねや物の落下などによって生じる重量床衝撃音を床がどの程度遮断できるかを示す重量床衝撃音遮断性能について、本乾式二重床を設置する前と比較したところ、代表的な周波数63Hz帯域において22dB(4ランク)向上することを確認した。さらに、面材部分にパーティクルボード20㎜+合板12㎜+フローリング12㎜を用いた一般的な乾式二重床との比較においても、より高い遮音性能を有することが確認された。
今後の展開
今後は本パネルの適用範囲の拡大を検討するとともに、株式会社奥村組が計画する木造建築物への適用を通じて実際の建物における有効性を検証し、その結果を踏まえて性能向上や技術の高度化を図る予定である。これらの取り組みを通じて、脱炭素社会の実現に貢献していくとしている。
発表企業の概要
- 株式会社奥村組(本社:大阪市阿倍野区、代表取締役社長:奥村太加典)
- 帝人株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:内川哲茂)
本記事は株式会社奥村組および帝人株式会社の発表をもとに作成。
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