アイシン・ヤマト運輸が業界の垣根越えラウンド輸送を開始

アイシンとヤマト運輸が、業界の枠を超えたラウンド輸送により、物流問題の解決に貢献している。ラウンド輸送とは、輸送先に荷物を降ろしたトラックが、空荷で出発地に戻るのではなく、別の荷物を積み込んで出発地に戻る輸送形態のことを指す。これにより、トラックの積載率を高め、トラックドライバーの負担軽減やCO2削減、物流コストの低減を実現できる。

物流業界では、電子商取引の拡大などにより荷物量が増加する一方、トラックドライバーの不足や、働き方改革関連法の施行による労働時間の制約などの問題を抱えている。ヤマト運輸も総合物流ターミナルから各営業所へ荷物を輸送する大型トラックの安定的な確保が課題となっていた。一方、アイシンは生産したオートマチックトランスミッションなどの製品を輸出するために、大型トラックで港湾エリアへ輸送しているが、復路便の多くが空荷となっている実態があった。

そこで、2024年9月より、愛知県東部に位置するアイシンの田原工場から名古屋港へアイシンの製品を輸送した後、復路便を活用してヤマト運輸の総合物流ターミナルで宅急便の荷物を積み込み、愛知県東部のヤマト運輸営業所へ輸送するラウンド輸送実証を行った。この実証は、アイシンの工場とヤマト運輸の営業所が隣接していることに着目したものだ。

実証の結果、効率的な輸送が可能であることが確認できたため、2025年1月より、アイシンの岡崎工場の定期便も加えた本格運用を開始する。今後はラウンド輸送の対象地域拡大や、生活用品等の軽量荷物とアイシンの製品を混載した共同輸送などの検討を進めていき、物流問題の解決に貢献していくという。

valvix

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