エンジニア育成を支援するダイソン主催の 「James Dyson Award 2026」、国際トップ20作品を発表
ジェームズダイソンアワード2026国際トップ20発表、日本発のデジタル仏具も選出
CATEGORY: テクノロジー

ジェームズ ダイソン財団は、国際学生デザイン・エンジニアリングアワードであるJames Dyson Award(ジェームズ ダイソン アワード、以下JDA)の2026年度国際トップ20作品を発表しました。世界中から寄せられた2,200件以上の応募の中から、日本からは法政大学卒業生4名が開発した火を使わないデジタル仏具「morito」が選出されました。今後、ダイソン創業者のジェームズ ダイソンによる最終審査を経て、11月4日(水)に最優秀作品が発表される予定です。
日本発のデジタル仏具「morito」が選出
国際トップ20に選ばれた「morito -火を使わないデジタル仏具-」は、法政大学卒業生の山田 颯人氏、須田 丈晴氏、廣瀬 一紀氏、眞砂野 湧氏の4名が開発した安全な供養品です。
ミストをLEDで照らして擬似的な炎を生み出す構造を採用しており、従来の供養が持つ「光・煙・香」の情緒を受け継ぎながら、火を使わずに供養の所作を行えるように設計されています。筋力が弱くライターを使えない祖母が台所のコンロで線香に火を灯す姿を見て危険を感じたという、開発メンバーの実体験が開発のきっかけとなりました。
総務省統計局の「統計からみた我が国の高齢者」(2026年9月20日)によると、日本では65歳以上の高齢者が総人口の29.6%にのぼります。また、総務省消防庁の「令和7年版 消防白書」(令和6年中、放火自殺者を除く)では住宅火災による死者の約4分の3を高齢者が占めており、火の扱いに不安を抱える高齢者にも安心感と視覚的な満足感のある供養体験の提供を目指しています。
2,200件以上からエンジニアが厳選
JDAは2005年の初開催から21年間にわたり、課題解決に挑む若き発明家を支援してきた国際的なアワードです。2026年度は医療アクセス向上や環境の持続可能性、災害対応などをテーマにした作品が世界中から2,200件以上集まりました。
国際トップ20作品の選定は、イギリス、アメリカ、シンガポール、マレーシア、フィリピンに拠点を置くダイソンのエンジニア12名が担当し、機能性、デザインプロセス、独創性、商業的実現可能性を基準に審査が行われました。審査員を務めたダイソンのプリンシパル エンジニアであるKay Yeongは、新たな視点から課題を捉えることが暮らしを良くする実用的な解決策につながる旨を述べ、選ばれた作品への期待を寄せています。
今後はジェームズ ダイソンによる最終審査が行われ、11月4日(水)に最優秀作品が発表されます。最優秀賞受賞者には、発明の発展を支援する賞金30,000ポンド(約630万円、1ポンド=約212円で換算)が授与される予定です。
JDA 2026 国際トップ20作品一覧
今回選出された20作品と発明者、国・地域は以下の通りです。
- morito(ミストを用いた疑似炎による仏具):山田 颯人, 須田 丈晴, 廣瀬 一紀, 眞砂野 湧(日本)
- AnemoSwab(呼気を用いた、身体への負担が少ない呼吸器疾患検査):Yonatan Morocz(カナダ)
- BiDaKidney(低コストの半自動透析装置):Andrew Jacob Buensalido, Allyson Cabrestante(フィリピン)
- BiliRoo(新生児黄疸を治療するスリング型光線療法器具):Daniel John(アメリカ)
- Bobo(携帯型の月経ヘルスケア支援デバイス):Anoushka Sawardekar(イギリス)
- CaneSight(視覚障害者向けAIナビゲーション支援ツール):Bing He Sun(中国)
- Egle(ブラインドサッカー用支援マスク):Gildas Bouger(フランス)
- Fixwing(自己固定式の静脈留置カテーテル):Shin Ding Min, Joo Songmin(韓国)
- mömigo(再利用可能なオールインワン母乳管理システム):Nicolette Wong(シンガポール)
- Noli(メンタルヘルス看護師向けの目立ちにくい緊急通報用リストバンド):Ella Flanagan(アイルランド)
- NURA(手話を音声に変換するリストバンド):Samuel Nagel, Paul Feiler(ドイツ)
- Reefvive(再生素材を用いたサンゴ礁再生用基盤):Yin-Rui Liao(台湾)
- RUDHRA(音声操作式の点字プリンター):Lingampalli Himaja(インド)
- Rumble Rims(競技現場で使用する脳振盪スクリーニング装置):Radhika Saran, Cleo Pontone, Sophia DeVito(アメリカ)
- Saturn(頭部で操作する車いすコントローラー):Seán-Jameson Galvin, Jamie Luik, Miha Arink, Lieke Neppelenbroek, Jens Peeters(オランダ)
- Sentinel(地震による建物の損傷を検知する埋め込み型センサー):Aldrei Ong(フィリピン)
- Softact(ロボット式乳房検査システム):Peng Yang, Yujie Zang, Zhiyu Xu, Jianzi Ma, Baohong Li(中国)
- SoleTrace(パーキンソン病の早期兆候を検出するスクリーニングツール):Hyunjae Noh(カナダ)
- VenaLume(静脈カテーテル挿入を支援する血管可視化装置):Umer Farhan(UAE)
- VocaBuddy(発話が難しい子どものための装着型コミュニケーション支援機器):Erdzean Nathaniel Sybico(UAE)
2002年に英国で設立されたジェームズ ダイソン財団は、英国のほか米国、日本、シンガポール、フィリピン、マレーシアなどでデザイン、テクノロジー、エンジニアリング教育事業をサポートしています。ジェームズ ダイソンと同財団はこれまでに慈善目的で1億5,500万ポンドを超える寄付を行っています。
本記事はジェームズ ダイソン財団の発表をもとに作成されています。
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