ONLYOFFICE 10.0公開 文脈理解AIや4つの無料アプリを追加
シンガポールに拠点を置くAscensio Systems Pte. Ltdは、2026年10月10日、オープンソースのオフィススイートの最新メジャーバージョン「ONLYOFFICE 10.0」をリリースしました。ドキュメント、スプレッドシート、プレゼンテーション、PDFの各エディタに文書の内容を理解するAIツールを搭載したほか、4つのモジュール型アプリを追加し、35件の脆弱性を修正しています。オンライン版、デスクトップ版、モバイル版をあわせて、約50の新機能と1,000件以上の不具合修正が含まれています。
各エディタに文脈を理解するAIツールを統合
業務でのAI活用が広がるなか、文書を外部ツールへコピーして利用する運用には作業効率や情報管理の面で課題がありました。ONLYOFFICE 10.0では、AIを文書内に直接組み込むことでこれらの課題に対応しています。
各エディタには専用の「AI」タブとチャットが備わり、ファイルを離れることなく下書き、要約、翻訳、整形などの作業が行えます。法務部門が50ページの契約書を要約して主要な条件を数秒で抽出したり、アナリストが数式を書かずに生データから予測やピボットテーブルを作成したり、マネージャーが1つのアイデアから発表者メモ付きのプレゼンテーションを作成したりといった作業が可能になります。
また、よく使うプロンプトの保存と再利用ができるほか、クイックAIアクションやカスタムAIアシスタントの作成機能により定型業務の自動化にも対応します。
組織の要件に応じたAIモデルの柔軟な選択
品質、速度、コストのバランスを考慮し、組織は用途ごとにAIモデルを選択できます。
クラウド版では、OpenRouterを基盤とするONLYOFFICE AIサービスを複雑な設定なしで有効にできます。サーバー版では、ローカルでホストするモデルを含め、任意のAIモデルを接続可能です。機密文書を自社インフラの外に出す必要がない構成をとれるため、官公庁、医療、法務、金融といった分野でもAIを活用しやすくなります。
4つの無料モジュール型アプリと各種機能の拡充
今回のリリースでは、AGPL v3ライセンスに基づく4つの無料モジュール型アプリが追加されました。これらはクラウド版では標準で有効になっており、サーバー版ではコマンド1つでインストールできます。
- 「AIエージェント」:MCPサーバーを活用
- 「フォーム」:AIで回答を分析可能
- 「ファイル」:アクセス制御付きで文書を一元管理
- 「ルーム」:仮想データルームに対応
あわせて、各エディタやプラットフォーム全体で以下の機能追加や改善が実施されました。
- PDFエディタ:メタデータの削除、表の自動認識、再利用できる署名への対応
- ドキュメントエディタ:共同編集者のカーソルをリアルタイムで追従する機能や、「次の段落と分離しない」オプションの追加
- スプレッドシートエディタ:SUMIFやCOUNTIFSなどの関数を最適化し、動作を高速化
- プレゼンテーションエディタ:スライドをGIFや動画として書き出す機能の追加
- 対応形式の拡充:.ofd形式に対応し、スプレッドシートの.xls形式での保存に対応
- モバイル・デスクトップ版:デスクトップ版およびiOS版・Android版でのAI機能拡充、モバイル版におけるGrokやDeepSeekなどの新しいプロバイダー対応とフォームのAI自動入力対応
- セキュリティ強化:プラットフォーム強化に向けた35件の脆弱性修正
ONLYOFFICEの概要
ONLYOFFICEは、世界中の企業と個人に向けてセキュアなオフィスソフトウェアを提供するオープンソースプロジェクトです。高度なドキュメント、スプレッドシート、プレゼンテーション、PDFエディタを備え、コラボレーションツールとのシームレスな統合が可能です。クラウドとオンプレミスの両方のデプロイメントに対応し、データセキュリティやコンプライアンスを重視する組織の要件に対応しています。
- プロジェクト情報:公式プロジェクトページ、公式サイト、公式コードリポジトリ、ONLYOFFICE Docs 10.0リリースブログ
- メディア連絡先:marketing@onlyoffice.com
本記事はAscensio Systems Pte. Ltdの発表をもとに作成されています。
ビジネスパーソンの課題解決と納得感にこだわるDellows News編集部。キャリア論からAI、健康法まで幅広い分野に対応し、複雑なテーマでも平易な言葉で丁寧に解説。読者が「明日から使える」知識やヒントを得られるよう、具体的な事例・データ・専門家の見解を交えて執筆。情報を整理し、納得感ある記事づくりを心がけています。



