住信SBIネット銀行とシン・エナジーが資本業務提携契約を締結した。この提携により、森林・農業分野でのカーボンクレジット共同創出や新たな金融サービスの実現を目指す。

日本政府が掲げる「2050年カーボンニュートラル」の達成には、CO2等の温室効果ガス排出量削減に加え、森林等のCO2吸収資源の保全・強化等の対策が必要だ。住信SBIネット銀行は2023年10月に子会社のTHEMIX Greenを設立し、森林におけるJ-クレジット※1の創出支援や林業の課題解決に取り組んでいる。

一方、シン・エナジーは再生可能エネルギーを活用した発電所の展開や新電力事業を行っており、最近では農業分野での取組みを加速させている。秋田県大潟村でのもみ殻を燃料としたバイオマスボイラーの導入による熱供給と燻炭製造や、兵庫県淡路市での剪定枝を活用したバイオ炭※2の製造による実証実験を開始している。

今回の提携により、THEMIX Greenが森林・農業分野でのJ-クレジット創出に関する事業展開や地域課題解決に向けた支援を加速させる。また、住信SBIネット銀行の最先端テクノロジーと金融ノウハウを活用した先進的な金融サービスを両社のお客さまへ共同提供することについて、本格協議を開始した。

具体的には、住信SBIネット銀行とTHEMIX Greenが取り組む森林分野において、シン・エナジーのバイオマス事業と連携した課題解決を検討するほか、バイオ炭を基軸として自治体、農業の課題解決に共同して取り組む。金融サービスの詳細は決定次第発表される。

住信SBIネット銀行は、最先端テクノロジーを活用した金融サービスの変革により、持続可能な地球環境、経済・社会の発展に貢献することを目指している。

※1 J-クレジット制度：省エネルギー設備の導入や再生可能エネルギーの利用によるCO2等の排出削減量や、適切な森林管理によるCO2等の吸収量を「クレジット」として国が認証する制度。
※2 バイオ炭：燃焼しない水準に管理された酸素濃度の下、350℃超の温度でバイオマスを加熱して作られる固形物。（2019年改良IPCCガイドラインに基づく）