「文章=コンテンツ」ではない、文章作成の指南書を無料公開したGIGコンマルクが示す価値の本質
コンテンツマーケティングをトータルで支援する『コンマルク』を運営するGIGが、記事作成のチェックリストを公開した。しかし、それは初心者向けの「当たり前」の内容に過ぎない。本当に重要なのは、読者に届ける「価値」だという。
「生成AIで、それらしい文章は誰でも書けるような時代になってきています」
株式会社GIG(以下、GIG)が運営するコンテンツマーケティング支援サービス「コンマルク」の責任者・内田一良さんは、現在のコンテンツマーケティング業界をそう表現する。
同社は2024年11月、「オウンドメディア記事クオリティチェックリスト40」と題した無料資料の提供を開始した。これは冗長表現の削除や文章の作法など、読みやすい記事作成のための資料だ。しかし内田さんは、このチェックリストはあくまでも基本的な内容であり、本質的な価値を生み出すためのものではないと語る。
文章は手段、価値こそが本質
コンテンツとは本来「中身」を意味する言葉だ。内田さんは、文章自体はあくまでも表現手段(ツール)であり、その中に含まれる情報にこそ価値があると語る。
先日公開されたチェックリストは、もともとGIG社内での人材育成用に作られた資料であり、とはいえ隠しておくものでもなく、「誰かのためになれば」と公開された。誰でもすぐに実践できる基本的な内容となっているが、これはあくまでも大前提に過ぎない。内田さんは、読者に届ける価値こそが最も重要だと指摘する。
生成AI時代の新たな課題
生成AI時代において、コンテンツの価値はより厳しく問われている。単にAIで作られた文章を並べても、読者に対して価値を提供できなければ意味がないからだ。
また、大手企業であってもコンテンツマーケティングには課題が山積しているし、従来から質の高いコンテンツを制作してきた出版業界に身を置く企業でも、Webでの展開では成果が出ないケースが多いという。
優れたコンテンツを作るだけでは不十分だと内田さん。Webには独自の作法があり、コンテンツを適切に届けるための仕組みづくりが欠かせない。
「総合格闘技」としてのコンテンツマーケティング
そんなコンマルクでは、コンテンツマーケティングを「総合格闘技」として捉えており、この考えは、スタッフの構成にも表れている。同社には、編集者やライター経験者、マーケティングの専門家、ビジネスプラン設計のエキスパートなど、多様なバックグラウンドを持つメンバーが在籍。ビジネス設計から制作、マーケティングまでを一貫して担える体制を整えている。
価値を届けるための総合力
制作だけでは解決できる課題は限られている。内田さんは「これからのコンテンツマーケティングでは、企画力と情報収集力がより重要になります」と強調。生成AIで文章作成のハードルが下がった今、情報の価値、リサーチの質、それを表現する企画力が差別化のポイントとなる。さらに言えば、そこから多くの人に届けるために、ペルソナ設計やカスタマージャーニーが必要になってくる。
GIGは、Web戦略、制作、運用、分析、改善、コンサルティングまでをワンストップで提供できる体制を整えている。生成AI時代において、「価値」の定義はより複雑さを増しているが、その本質は変わっていない。読者に届けたい価値は何か。その追求こそが、これからのコンテンツマーケティングの核心となるだろう。
コンマルク(公式サイト)
https://www.conmark.jp/
オウンドメディア記事クオリティチェックリスト40(ダウンロードページ)
https://www.conmark.jp/document/ownedmedia-article-checklist