ぜんざい×オリーブオイル、昭和8年創業の老舗そうめん会社が仕掛ける新たな食体験

奈良県のそうめん専門店「てのべたかだや」が12月から提供を始めた「オリーブぜんざい~和栗ショコラ~」。和栗あんとチョコレート、そしてオリーブオイルという意外な組み合わせは、昭和8年創業の手延べそうめん製造・販売会社ならではの発想だ。イタリア直輸入のオリーブオイルを使用したそうめんづくりで培った知見を活かし、伝統の和菓子に新たな革新を吹き込む。「変わらない明日のために、私たちは変わり続けます」という企業理念を体現した、新しい食文化の誕生に迫る。

奈良県桜井市のそうめん専門店「てのべたかだや」で、12月1日から期間限定の新メニュー「オリーブぜんざい~和栗ショコラ~」の提供が始まった。上質な和栗を丁寧に裏ごしした自家製和栗あんに、カカオ80%のクーベルチュールチョコレートを合わせ、ベルガモット香る最高級オリーブオイルを添えた逸品だ。一見すると意外な組み合わせに思えるが、ここには「てのべたかだや」を運営する、昭和8年創業の老舗そうめん製造販売会社・マル勝髙田商店の革新への挑戦が詰まっている。

そうめん専門店からスイーツ開発へ

「そうめん専門店なので、オープン当初はそうめんのメニューしか提供していませんでした」と語るのは、マル勝髙田商店代表取締役の髙田勝一さん。しばらくすると、お昼過ぎに来店するお客さんからデザートなども食べたいという声が。当初は近隣の和菓子店からどら焼きや羊羹を仕入れて提供していたが、やがてオリジナルスイーツの開発に着手した。

株式会社マル勝髙田商店 髙田勝一代表取締役

「『マル勝髙田商店』として提供する意味合いのあるスイーツを開発をしたかった」と髙田さん。単にイチゴのショートケーキを出すなどではなく、奈良にまつわる要素や自社の取り扱う商品を活かしたメニュー作りを心がけたという。

和と洋の絶妙なマリアージュ

てのべたかだやで提供される多彩な「オリーブぜんざい」

オリーブぜんざいの特徴は、温かいぜんざいにかけられたオリーブオイルが温まることで立ち上る香り。「私も初めて食べるときは疑心暗鬼でしたが、驚くぐらいに美味しかった」と髙田さんは振り返る。味わいは和と洋の中間に位置し、オリーブオイルの効果でさっぱりとした後味が特徴だ。

この斬新な組み合わせは、同社の歴史に深く根ざしている。マル勝髙田商店のフラッグシップ商品『三輪の神糸』は、イタリア直輸入のエキストラバージンオリーブオイルを使用した手延べそうめん。一般的なそうめん製造で使われる綿実油に代わり、オリーブオイルを採用することで、独特の香りを抑え、より多様なメニューアレンジを楽しめる。同店では、この製造ノウハウを生かした「てのべたかだや」ブランドの麺感の違うそうめん「つるり」「さらり」が使用されている(そうめんや同社が直輸入するエリジールのイタリア産オリーブオイルは、ECサイトで購入が可能)。

同社のコンセプト「変わらない明日のために、私たちは変わり続けます」は、そんなそうめんだけでなく、てのべたかだやスイーツメニューにも貫かれている。夏季にはオリーブオイルをかけたかき氷を提供するなど、和洋の境界を超えた新しい味わいを創造し、日本の食文化に誰もが携わる場所づくりに挑み続けている。

伝統的な和菓子をアレンジした商品や、オリーブオイルを使ったケーキなど、てのべたかだやのスイーツメニューは着実に拡大。そうめん発祥の地・奈良から、新しい食文化が発信されている。

てのべたかだや 公式サイト
https://www.tenobetakadaya.com

valvix

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