奈良市、クラウド型マニュアルで庁内DXを推進

奈良市は、庁内のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進に向けて、マニュアル作成・共有システム「Teachme Biz」を導入した。株式会社スタディストが提供するこのシステムを活用し、2024年度中に約110の全課での利用拡大を目指す。これにより、各種問合せの削減や引継ぎ業務の効率化を図る方針だ。

奈良市では、毎年多くの職員が部署異動をしており、異動に伴う各種問合せの増加や引継ぎ内容のバラつき、多忙な年度末の引継ぎによる職員への業務負荷等の問題が発生していた。これまでも問合せフローの改善やワークフローシステムの導入等の改善を進めてきたが、よりスムーズな引継ぎや問合せ工数の削減のためには、業務伝達の要である業務マニュアルの改善が必要であると判断し、マニュアル専用システムの導入を決定した。

Teachme Bizは、画像や動画を用いたマニュアル作成が簡単で、高いセキュリティ水準でサービスが利用可能であること、専用ソフト不要で職員間での共有も簡単な点が選定のポイントとなった。

現在数課で利用しているTeachme Bizを、2024年度中に約110の全課へ活用拡大し、クラウド型のマニュアルを用いて2025年度の引継ぎが実施できる体制の構築を予定している。わかりやすく、検索・共有をしやすいマニュアルを整備することで、各種問合せ事務の削減と業務効率化を目指す。また、マニュアル作成を通じて各職員のノウハウを可視化し、業務標準化を実現する。

奈良市DX推進課の担当者は、「限られた人員でより良い市民サービスを提供するには職員の業務効率の向上が急務」と述べ、Teachme Bizの活用により「引継ぎの効率化と問合せ工数の削減に加え、わかりやすい業務マニュアルを用いて職員が適正で質の高い業務遂行ができる状態を期待している」とコメントした。さらに、新人教育においてもTeachme Bizの活用を検討しており、「引継ぎに限定しすぎず、庁内で積極的に活用し、業務効率化を通じて市民サービスの向上につなげていきたい」と展望を述べた。