帝国データバンクが実施した「食品主要195社」価格改定動向調査によると、2024年10月の家庭用を中心とした飲食料品の値上げは2911品目に上った。これは4月の2897品目を上回り、年内最大の値上げラッシュとなる。ただし、前年同月比では2022年の4割弱、2023年の約6割にとどまり、10カ月連続で下回った。

食品分野別では、PET飲料を中心とした「酒類・飲料」が1362品目と最多で、全体の46.8％を占めた。「加工食品」では673品目、「菓子」では237品目の値上げがあり、特に菓子ではチョコレート関連製品が半数以上を占めた。

2024年通年の値上げ品目数は12月までの累計で1万2401品目、平均値上げ率は17％となった。値上げ要因としては、「原材料高」が92.7％と最も多く、次いで「物流費」が68.6％、「円安」が28.4％、「人件費」が26.7％となった。

今後の見通しとしては、高い上昇率が続く食品の値上げに対し、実質所得が伸び悩む家計の「値上げ疲れ」から、値上げの勢いは後退感がみられる。2024年通年の値上げは前年の4割程度の水準となる1万3千品目以下での着地が想定されている。