長谷工コーポレーションなど、竹パウダーと食品堆肥を活用した土壌改良技術を開発
株式会社長谷工コーポレーションと株式会社長谷工あんしんデリは共同で、「竹パウダーと食品リサイクル堆肥を活用した土壌改良技術」(特許出願中)を開発しました。実証試験において土壌微生物叢の変化と、慣行区と比較した水稲収穫量の増加が確認されたとのことです。長谷工グループは未利用資源の有効活用を通じ、環境負荷の低減と持続可能な農業の実現への貢献を目指しています。
放置竹林と食品残渣の課題解決へ向けた技術開発
全国で放置竹林の拡大が課題となるなか、竹林整備に伴って発生する竹材の有効活用が求められています。また、持続可能な農業の実現に向けて地域資源や有機資源を活用した土壌改良技術への関心が高まっていることを背景に、長谷工グループは竹パウダーと食品リサイクル堆肥を活用した新たな技術開発に取り組みました。
本技術には以下の特徴や強みがあります。
- 竹林整備で発生する未利用竹を土壌改良材として有効活用
- 食品リサイクル堆肥と組み合わせた資源循環型の仕組み
- DNA解析を用いて土壌微生物叢を調査し、本技術の施用による変化を科学的に評価
- 土壌環境の変化と作物生産性の両面から、本技術の有効性を検証
実証試験で水稲の収穫量が増加
実証試験は、長谷工あんしんデリ大津農場にある土質の異なる水稲2圃場で実施されました。それぞれの圃場内に本技術の施用区と慣行区を設定して比較したところ、施用区の単位面積当たり収穫量は、慣行区と比較して2圃場でそれぞれ17.8%、18.8%増加しました。
また、土壌のDNA解析では施用区における土壌微生物叢の構成変化が確認されました。なお、土壌のDNA解析および評価には京都大学発のスタートアップであるサンリット・シードリングス株式会社の生態系DNA診断技術が活用されています。

これらの結果は今回の試験条件下で得られたものであり、作物、土壌、気象条件などによって異なる可能性があるとしています。今後は試験の再現性を確認しながら施用条件の最適化や適用作物の拡大を進め、実用化を目指す方針です。

専門家による分析と評価
京都大学生命科学研究科附属生命情報解析教育センターの東樹宏和教授は、竹パウダーや食品残渣のような有機質のリサイクル資源を農地に投入することで、輸入資源である化学肥料への依存度を抑えつつ土壌中の微生物機能を活性化して農作物の生育を促進できることが今回の試みで明らかになってきたと指摘しています。
また、サンリット・シードリングス株式会社が提供する生態系DNA診断技術の適用により、竹パウダーと食品残渣を投入した区画において農地からの養分流出を抑える機能や病害微生物を抑制する機能の向上が示唆されたとし、収量の増加が観察されたことについてもリサイクル資源の投入が土壌の状態を改善することを裏付けているとコメントしています。
発表企業について
本技術を開発した企業の概要は以下の通りです。
- 株式会社長谷工コーポレーション(本社:東京都港区、代表取締役社長:熊野 聡)
- 株式会社長谷工あんしんデリ(本社:東京都港区、代表取締役社長:鈴鹿 政秀)
本記事は株式会社長谷工コーポレーションおよび株式会社長谷工あんしんデリの発表をもとに作成しています。
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