ソフトウェア協会の研究会、個人所得申告のデジタル化に向けた提言と英調査報告書を発表
株式会社マネーフォワードを含むソフトウェア事業者等9社が参加する一般社団法人ソフトウェア協会 政策・法務知財委員会の「社会的システム・デジタル化研究会」(通称: Born Digital研究会)は、「デジタル化による個人所得申告の新しいあり方に向けた提言」および「調査報告書 イギリスにおける税務のデジタル化」を発表しました。
確定申告や年末調整など、日本の個人所得申告がいまだ紙を前提とした年次処理の構造を残している課題意識から本提言は策定されました。業務プロセス全体をデジタル前提で再設計し、社会全体のコスト最小化と利便性向上を目指す内容となっています。
年末調整の簡易化と給与支払報告のリアルタイム化
年末調整業務には社会全体で年間約1,000億円から3,000億円規模のコストが投じられていると試算されています。提言では、個別最適にとどまる電子化ではなく、所得情報を起点とした社会的システムの再設計を求めています。
具体的には、年末調整を確定申告の簡易版として再定義し、対象者や控除の絞り込みによる簡易化を提案しています。また、年1回の給与支払報告を月1回のデジタル報告へとリアルタイム化し、所得税・住民税・社会保険・労働保険・公的統計にまたがる報告のワンスオンリー化を目指すことや、住民税の現年課税化に向けた継続的な検討も盛り込まれました。
個人の給与所得や事業所得、控除等の情報を本人が確認できる形で集約・蓄積する個人所得情報基盤の整備も提案されています。将来的には申告が必要な個人がワンクリックで確定申告を完了できる状態を目指すほか、透明性やアクセス制御を確保したうえで所得に応じた給付や緊急時支援への活用も位置付けています。
さらに、デジタル・プラットフォーム事業者を通じた取引データの集約や、会計・申告ソフトウェアとのAPI連携などにより、個人事業主や副業層の記帳・申告・納税プロセスの負担を軽減する仕組みを求めています。
提言の策定にあたり、給与支払報告のリアルタイム化(Real Time Information: RTI)や記帳・申告プロセスのデジタル化(Making Tax Digital: MTD)を先行して進めるイギリスでの調査報告書も公開されました。現地ではHMRC(イギリス歳入関税庁)やソフトウェアベンダー、会計・税務専門家へのヒアリングが実施されました。
報告書では、RTIがUniversal Creditやコロナ禍の雇用維持給付(CJRS)にも活用されたことや、MTD for VATおよびMTD for Income Taxにおける受容性の違い、義務化が予定されるデジタルインボイスの動向などを整理しています。改革には業務プロセス変更の度合いや追加費用の影響が大きく、明確なロードマップとステークホルダーによる共創が不可欠であると分析されています。
株式会社マネーフォワードの概要
- 名称:株式会社マネーフォワード
- 所在地:東京都港区芝浦 3-1-21 msb Tamachi 田町ステーションタワーS 21F
- 代表者:代表取締役社長グループCEO 辻庸介
- 設立:2012年5月
- 事業内容:プラットフォームサービス事業
- URL:https://corp.moneyforward.com/
本記事は株式会社マネーフォワードの発表をもとに作成されています。
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