釧路湿原で絶滅危惧種シマクイナの巣と卵を発見 釧路市立博物館で展示開催
環境省レッドリストの絶滅危惧ⅠB類に選定されている希少種シマクイナの巣と卵が、釧路湿原で発見された。国内におけるシマクイナの巣の発見は2018年に次ぐ国内2例目であり、抱卵中の個体確認は世界でも数例の記録しかない貴重な事例となる。釧路市立博物館では、回収された巣や卵を紹介する展示が開催されている。
国内2例目となる希少種シマクイナの巣を発見
シマクイナ(Coturnicops exquisitus)は、極東ロシア~中国東部、日本に分布する鳥類で、個体数の少なさなどから環境省レッドリストの絶滅危惧ⅠB類(上位から2番目に危機的な状況)に選定されている希少種である。
これまで国内においてシマクイナは冬鳥(越冬のためにやってくる鳥)とされていたが、近年の研究により夏鳥(繁殖するためにやってくる鳥)でもあることが判明した。国内で初めて実際に繁殖および巣を確認できたのは2018年であり、近年繁殖が明らかになった背景から生態はほとんど未知とされている。今回の巣の発見は国内2例目であり、非常に価値の高い資料となる。

釧路湿原での発見と巣や卵の回収経緯
今回の発見は、釧路市立博物館の職員が釧路湿原にてシマクイナ調査のため湿原を歩行中、そばで本種の鳴き声を確認したことがきっかけとなった。付近に巣があると考えて草むらを探したところ、巣と卵を発見した。計測後に後日再訪した際、本種が卵を抱いていたことから、シマクイナの巣および卵であることが確認された。
抱卵中の個体の発見は世界でも数例の記録しかない。この個体は抱卵放棄したため、環境省へ確認の上で巣と卵が回収された。卵発見の国内における事例は現在確認中とされているが、巣の発見以上の価値があると考えられ、今後の研究に大きく役立つとみられている。
釧路市立博物館で発見を紹介する展示を開催
釧路市立博物館では、今回の発見を紹介する展示を行っている。回収された実物資料やパネルが公開されている。
展示の概要は以下の通り。
- 会期:9月17日(木)~10月25日(日) 午前9時30分~午後17時
- 会場:釧路市立博物館1階常設展示室(要入館料)
- 主催:釧路市立博物館
- 共催:釧路市立博物館友の会、釧路自然史研究会
展示内容:
- パネル展示
- 国内におけるシマクイナの歴史
- シマクイナの世界及び国内、釧路湿原の分布状況
- 釧路湿原での発見に至った経緯
- 実物資料
- 実物に回収した巣、卵、シマクイナのはく製
釧路市立博物館と釧路市の概要
釧路市立博物館は1936年に開館し、今年で90周年を迎えた総合博物館である。1階は釧路の自然、2階は釧路の歴史、最上階はアイヌとタンチョウについて紹介している。館内には7mを越すシロナガスクジラの下あごやミンククジラの全身骨格標本、釧路の漁業の発展に貢献した川崎船、アイヌ民具、ドーム型タンチョウのジオラマなどが展示されている。

北海道釧路市は北海道東部の太平洋岸に位置する人口約15万人の港町で、平成17年に旧釧路市・阿寒町・音別町が合併して誕生した。釧路湿原国立公園や阿寒摩周国立公園を抱え、特別天然記念物のタンチョウや阿寒湖のマリモなどが生息している。夏は8月でも約21℃と涼しく、世界三大夕日のひとつに数えられる夕日などの特色を持つ。
- 釧路市立博物館公式サイト:https://www.city.kushiro.lg.jp/museum/index.html
- 釧路市公式サイト:https://www.city.kushiro.lg.jp/
本記事は釧路市立博物館の発表をもとに作成。
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