那須塩原市、デジタルサービスとのデータ連携開始

那須塩原市は、マイナンバーカードを利用した共通ID(xID)によるサービスログインの開始と、データ連携基盤の構築を発表した。これにより、サービスごとのアカウント作成が不要となる。また、個々のユーザーに合わせた情報発信も可能となる。これは、自治体によるデータ連携基盤の構築としては県内初の試みである。

データ連携基盤は、デジタル田園都市国家構想交付金採択事業の一環として構築され、4つの既存デジタルサービスと個人データの連携が開始された。連携するデジタルサービスは、地域ポータル、エンジョイecoなすしおばら、母子手帳アプリ みるみる、なすしおばら観光パスポートの4つである。

地域ポータルは、コミュニティ内の情報連絡用アプリで、箒根学園での導入を経て、全小・中・義務教育学校や自治会等への展開が予定されている。エンジョイecoなすしおばらは、那須塩原エコポイントをアプリ化したもので、脱炭素につながる取組等に対してポイントを付与し、貯めたポイントは特典と交換可能である。母子手帳アプリ みるみるは、妊娠中の健康管理や子どもの成長記録、予防接種等のスケジュール管理ができるほか、市からの子育て情報をタイムリーに受信できる。なすしおばら観光パスポートは、観光スポットの紹介やお得なクーポンを配信し、ラーメンマップなど観光客だけでなく市民にもうれしい情報が満載である。

データ連携基盤との接続による効果は大きい。マイナンバーカードを利用して作成する共通ID(xID)によるサービスログインが可能となり、サービスごとのアカウント作成が不要となる。また、各サービスのデータを連携・分析することで、付加価値を創出したり、様々な施策に活用することが可能となる。

具体的な例としては、災害が起きた際、連携されている災害情報を基に、観光パスポートで観光客向けの避難所情報を発信することが可能となる。また、利用しているサービス情報を基に、個人の趣味趣向に合わせた情報を地域ポータルで発信することも可能となる。さらに、蓄積した情報のオープンデータ化、分析、民間利用が可能となる。これらの取り組みは、市民サービスの向上だけでなく、地域の活性化にも寄与すると考えられる。